「子のあいだ」(『このあいだ』第1号 2020/10)
夜、2人の子のあいだに寝て、 目が覚めているときなど、自分は幸せだなとしみじみ思うことがある。長女は、結婚して9年めの冬に生まれた。 それまでのあいだ、 子どもがいなかったわけだが、 特にそのことを気に病んだことは妻にもぼくにもなかった。 親たちは早く孫の顔が見たかったかもしれないが、 自分たちは経済的事情により子を産み育てることは考えてはいなかった。 それが、ある時期から子どものことを考えるようになって、間もなく妻が身ごもった。天使ガブリエル(*1)は来なかった。ただ L