「つながりあうイメージ」(『このあいだ』第2号 2020/11)
小池寿子『死者のいる中世』みすず書房、1994
「とくに予備知識の必要はありません」
そう前置きする一般向けの講演や入門書の類は少なくないが、終わってみて「ほんとうに知識ゼロからで何か身になることがあったのだろうか」と反省することもまた多い。なんとなくわかったつもりになって、すぐにこぼれ落ちてしまう記憶に、 自分という容れ物の頼りなさを思う。死ぬときもきっと空っぽのまま、この世に別れを告げるのだろう。死後についての知識など全く持ち得ないままに。
今回取り上げる本も、