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「Killers of the Flower Moon (キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン)」(2023年 アメリカ映画)

20世紀初頭の米国オクラホマ州の片田舎の街で、原油が噴出します。その採掘権は先住民たちが持っているため、先住民と結婚して権利の一部を得ようとする白人が現れます。主人公である白人男性は、表向きには先住民の手厚い支援者を装う強欲な叔父に唆されて、先住民の女性に近付き結婚にこぎ着けます。しかしその頃から、先住民が変死する事件が相次ぐようになり、地域は不穏な空気に満たされます。主人公は、妻への愛情と叔父からの圧力との板挟みに苦しめられるのです。

上映時間が3時間半にもなる超大作です。このような事件は実際にあったことだそうで、悪徳な白人たちの蛮行には怒りを覚えます。特に、ここで登場する叔父の心底の悪質さは、本当に許し難いもので、憤りを覚えます。アメリカの白人による差別と言うと、黒人を含む有色人種に対するものを想起しますが、それに加えてこうしたネイティブ・アメリカンに対するものものも酷かったことを思い知らされました。

そんな中で、主人公は確かに、打算を抜きにした愛情を持っていました。しかしそれでも、動き出した大きな悪の流れには抗えなかったのが、何ともやるせないところです。

物語の結末は、ラジオ収録する講談師の語りに委ねられており、この軽妙さが絶妙に効果的でした。

[2024/06/24 #映画 #KillersoftheFlowerMoon #キラーズオブザフラワームーン #MartinScorsese #LeonardoDiCaprio #RobertDeNiro #TurkishAirlines ]

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