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「大塚直哉レクチャー・コンサート第10回 ~オルガンとチェンバロで聴き比べるゴルトベルク~」
歴史的鍵盤楽器の名手・大塚直哉によるレクチャー付きの演奏会です。今回取り上げられたのは、J.S.バッハ「ゴルトベルク変奏曲」BWV988です。
舞台上にはポジティーフオルガンと2段鍵盤チェンバロが設置されています。変奏に応じてより効果的な楽器が使用され、時には弾き比べや、驚きの2台同時演奏まで、両楽器がフル活用されました。
演奏は概ね3変奏毎に区切られ、その合い間に解説が入りました。この曲の全体構成について整理された一覧表が示され、複数の観点から分類が提示されました。それなりに知っていたつもりが目から鱗の連続で、この曲がいかに多角的に練りに練られて構成された音楽であるかを改めて実感しました。
特に3曲毎に現れるカノンについての説明は詳細で、説明と例示と同時に実演がなされるので、理解が深まります。かつ最後のクオドリベットについて、ここまで具体的に内容を聞いたのは初めてで、非常に有り難かったです。
更に、ゲストに美術キュレーター・林綾野を迎えて、バッハの食を巡るトークが繰り広げられました。バッハ本人に関する記録は少ないため、同時代の美術資料などを参考に補完しながら、バッハの食生活や嗜好品についての分析や推定がなされました。身近な話題なだけに、極めて興味深いものがありました。
オルガンとチェンバロを行ったり来たりの演奏は少々やりづらそうではありましたが、見て聴いている側としては2倍の楽しみがあり、かつ面白いレクチャーのお蔭で更に楽しさが倍増する、何重にも充実した演奏会でした。
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[2024/07/07 #演奏会 #ゴルトベルク変奏曲 #大塚直哉 #林綾野 #彩の国さいたま芸術劇場 ]
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