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新幹線でビールが飲めること

新幹線の斜め前の席のお父さんが
昼前から一杯やっていた。
私が乗ったときには一缶すでに空いていた。

こんな昼間から飲むのはいいなぁ。
これからどこか行くのだろうか。
横で娘さんが静かにタブレットで動画を見ている。
父娘旅と思われる。

お父さん、少し赤ら顔ですっかりできあがっている。帰省というイベントが終わって解放されたのかな。想像を膨らませてしまう。

すると親子の会話が聞こえてきた。
お父さんが娘さんに
「タブレット見すぎ。もう家帰った瞬間取り上げるよ。」
あぁ、そうかやっぱり今から帰るんだ。

続けて、
「朝から見すぎ。YouTubeもだめ。もう絶対取り上げる。ママに言うよ。」
娘さんなんか涙声で嫌だっ…と言っている。

どこの家も同じだなと思いつつ
移動中のタブレットは許してあげてぇとは思うが。

私はそんなことより、
ほろ酔いのお父さんが帰宅してきて
たまった洗濯物をどかどか出されて
あとはソファでゆっくりしま〜すって寝られる方が嫌だなと、勝手に我が家に、置き換えて考えてしまう。

人様のことだ。
私が心配することでもない。
新幹線での過ごし方は自由である。

車内で静かに動画を見ている娘さんはえらいし、羨ましいなぁとも思う。これくらい大きくなれば移動中は各々の時間を過ごせるのかと。
そんな近い将来を夢見ている私の横で
私の娘が5分おきに「あとどれくらい?あとどれくらいで着く?」と私にスリスリしながら聞いてくる。
あともう少しかなぁ…。



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