力が欲しい人へ Vol.2


前回の続き

Vol.1の投稿から少し時間が空いてしまいましたが、みなさん前回の内容は覚えてもらえているでしょうか?特にエリアコントロール(色塗り)の話は今回の内容に深く関わってきますので、もし良ければもう一度合わせて読んでみてくださいね。
前回の色塗りの話はエリアコントロールを理解しやすくするための考え方ではあるのですが、それをどう活用するかまではお話していませんでした。ここからはエリアコントロールをどう活かすのかを主にお話していきたいと思います。
その前にまず、エリアの抑え方を見ていきましょう。

エリアの抑え方(守り)編

射線組み

ValorantのようなタクティカルFPSではマップを理解し、撃ち合いを有利にすることが重要です。その際に考えるべきことは「相手に無理を押し付ける」ことです。その代表例が射線組みです。
よく「いまのは甘えた」とか言うこと多いと思いますが、「甘えた」の基準はこの射線組みができるのにも関わらず単独で戦闘して負けたことを指します。(それ以外は良くも悪くも勝負勘)
まずは守りから考えていきます。
具体的な例を出してみます。ジェットが攻め、サイファーとレイナが守りの状況でアセントAメインを守ることを想定しています。
サイファーとレイナが組む射線には3種類の選択肢があります。それが以下の3つです。

↑パターン①
↑パターン②
↑パターン③

パターン①~③はそれぞれ形は違いますが、全てに共通するのが先程の「無理を押し付けること」です。

180°クロス

パターン①は180°クロスと呼ばれるもので、左右の角が一直線上である場合に有効な射線組みです。(そうでないと順番にクリアリングされてしまいます)クリアリングする際に左右同時には行えないという点で無理を押し付けています

長所

  • 複数のアビリティや人数をかけられてもクロスを組んだ2人で処理しやすいという点

短所

  • 1つのエリアに人数をかけすぎてしまう点

  • 左右の角が一直線上という条件が厳しい点


2段

パターン②は2段と呼ばれるもので、1つの射線を同じ角度・違う高さで抑えることで相手が違う高さの2人と撃ち合わなければならないという点で無理を押し付けています

長所

  • 場所を選ばずに射線を組める(しゃがみを利用すれば極論どこでも2段は組むことはできます。)

短所

  • 角度で射線を通しているので、2人ともフラッシュなどを食らってしまいやすいなど、敵に比較的対応され易い点


90°クロス

パターン③は90°クロスと呼ばれるもので、手前の1人(この例ではサイファー)が撃ち合ったら奥で隠れているもう1人(この例ではレイナ)がピークするといった形になります。この場合は、撃ち合いが発生したタイミングで一度クリアリングしたはずの場所からピークしてくるという点で無理を押し付けています

長所

  • 奥に隠れている1人が比較的安全なので、スキルなどでケアされづらい点

  • 奥の1人はすぐにカバーできるポジションであれば良いので、180°クロスに比べて場所を選ばない点

短所

  • 手前の1人がカバーをもらうまでは1vs1をすることになるので、犠牲になる可能性がある点

  • このクロスを警戒されている場合、奥の1人のピークが先置きされている可能性がある点


これらの射線組みはスキルを度外視したものではありますが、スキルの使い方にも関わってくるものなので、理解しておいた方が良いです。
また、キルジョイはタレットなどを使って1人でこのクロスを成立させることができるのでかなり重要です。

エリアの抑え方(攻め)編

ここまでの話はすべて守り視点で「どう守るのが強いか」というのをお話してきました。攻めはこの逆で、「射線組みが行われているのをどう崩すか」という風に考えていきます。
そこで、攻めで鍵になるのがエントリー・フラッシュ・索敵・スモークです。

エントリー

先ほどの180°クロスの配置で考えてみます。

攻め守りがこういった配置の際にジェットがエントリーすると

守り側はジェットとその後続の両方を見なければいけなくなるので、クロスが崩壊してしまいます。これがエントリーが必要である理由です。また、これはクロスが組まれていない時にも有効です。
つまり、相手が処理しきれない状況に追い込むことが攻めでは重要になります。後続が入るのが遅くなると相手が処理しやすくなってしまうので、攻め側はエントリーに素早く続いていくこと・エントリーした人は後続が入るまで耐えることが大切です。逆に言えば、守り側は後続をスキルなどで止めてエントリーを先に処理すれば対応可能です。

フラッシュ

フラッシュは相手が避けるとしても振り向かなければならないので相手が自分たちの攻撃を処理するのが難しくなり、直撃すればもはや一時戦闘不能と言っても過言ではないほど強力なスキルです。
ですがフラッシュの数には限りがあるので、どこで使うかが重要になってきます。
フラッシュは敵がいる場所に使うことが前提のスキルなので、敵の配置の予想と索敵などによる情報からどこに使うか考える必要があります。また、イニシエーターのフラッシュは(基本的に)自分のピークよりも味方のピークに合わせて使用する方が強いように調整されてきているので、できれば味方がピークする場所に使ってあげられるようになりたいところです。

索敵

索敵はエリアコントロールにおいて重要なスキルの一つです。エリアコントロール≒情報戦なので、情報を得る手段である索敵スキルは必要不可欠です。
VALORTANTの仕様上、索敵スキルを使うと相手にもある程度どこに使用したかバレてしまいます。索敵スキルを使用したということは、そのエリアの情報をそのチームは取れていない=エリアを取れていないという判断ができます。なので、索敵スキルを使ったことでエリアコントロールで不利になってしまう場面があるということを覚えておく必要があります。
逆も然りで、敵が索敵スキルを使用したエリアを敵がいないと予想して、ドライでエリアを取っていくといったことができれば立ち回りの幅が大きく向上すると思います。
また、索敵を含めたスキルを使わない(ドライ)というのも選択肢の一つで、敵に自分たちがどこまでエリアを取っているのか予想させないという強みがあります。

スモーク

スモークには使い方が3つあります。(意味合いとして被る部分もありますが…)

  1. 射線を切るスモーク(攻めでのセット・守りのリテイクスモーク)

  2. 情報を遮断するスモーク(ラークする際・スロー進行する際・守りで敵の進行を止める際のスモーク)

  3. 中立エリアを無理やり作るスモーク(耐えスモークなどの立ち回り用スモーク)

1の射線を切るスモークはそのままの意味で、敵の射線が多すぎて進行が難しいエリアを進むためのスモークです。なので、この使い方のスモークでは基本的に「スモークを使ったエリアより先には行かない」というのを敵にも示していることになるのが注意するべきポイントです。(まぁそこをあえて越えていく立ち回りもありますが例外なので…)
「どのエリアを取りたいのか」を明確にしなければ的確なスモークを炊くことは難しいです。
分かり易いのがアセントミッド攻めの際にAショートかボトムどちらにスモークを炊くかです。
ボトム側を進行したいのあればAショートに、Aショート側を進行したいのであればボトムにスモークを炊く必要があります。

ボトム進行
Aショート進行

なので、IGLかデュエリストは「このエリアを取りたいからここにスモークをください」と要求するようにしましょう。
個人的な意見ではありますが、エリア取りはスモークを炊いたタイミングを起点にするのが1番分かりやすく効率的だと思っています。そのタイミングでスキルを使う・もしくは使うと伝えるようにしてみてください。スモークの効果時間を有効的に使えるはずです。(オペレーター等のワンピックによる事故も減るはず)

2の情報を遮断するスモークはVol.1で説明したグレーゾーンを利用するスモークです。簡単に言うと、敵にとってのグレーゾーンを増やすスモークです。
VALORTANTのマップには1点のエリアを抑えておけば、広いエリアを抑えることができるポイントがしばしばあります。(下図のロータスAメインなど)

先ほどの図のように守り側が詰めずに押さえているとき、このようなエリアに攻め側がスモークを炊くと守り視点ではこうなります(ピンクがグレーゾーン)


このスモークによって守り側からするとピンクのエリアにいる人数が分からない(0人かもしれないし5人かもしれない)ので、対応が難しくなります。ちなみにこのスモークはAスロー進行でもAリンクからのB挟み攻めでも使えるので、そういう意味でも対応は難しいです。
また、同じ場所でこういったスモークも有効です。

このスモークを炊くと守り視点ではスモークからピークしてくるかもしれないし、がれき側へ回ってピークしてくるかもしれないので左右からピークしてくる可能性があるため置く場所を1点に絞ることができなくなるので、このエリアを覗くことが難しくなります。
守りで敵の進行を止める際のスモークも、スモークの中・スモークの先にどれだけ敵がいるか分からない状況を作ることで進行を止めています。
このように、情報を遮断するスモークを使う際には相手視点でどう見えているかをイメージすることが重要です。

3の中立エリアを無理やり作るスモークにはいわゆる耐えスモークや敵のスモークに被せるスモークなどがあります。
これはスモーク(特に球体スモーク)の中が外部からの干渉を受けにくいという性質を利用したもので、スモークの中で耐えたり行き来することで本来1vs複数になる場面を1vs1を繰り返すことのできる状況に持っていくことを目的としています。
また、敵のスモークに被せるスモークというのがイメージが付きにくい人もいると思いますが、圧倒的に不利なスモークからのピークをイーブン(対等)まで持っていくことを目的としています。
例えば自分がバインド守り側でBサイトを1vs2のリテイクをするという状況だとします。(自分はオーメン・敵はブリムストーンとレイズ)
下図のようなスモークを炊くことでブリムストーンとレイズの90°クロス(レイズが撃ち合ったらブリムストーンがピークしてくる)というほぼ処理不可能な状況を1vs1×2に持っていくことができます。

ちなみにブリムストーンがフッカーにいることが確定している場合はフッカーにスモークを炊いてもいいですが、フッカーにいることが確定していない場合もこのスモークは有効です。

まとめ

今回は主にエリアの抑え方についてお話させていただきました。(本当はエリアコントロールについて深堀りしたかったのですが思ったより長くなってしまったのでまた次回…)
特に射線組みやその崩し方については色んな場面で応用が効くと思うので、ぜひ参考にしてみてください。
スモークを主に使っていることもあってスモークの話が多めになってしまった気がします…すみません笑

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