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ALL WE NEED IS モラトリアム!『スパニッシュ・アパートメント』

もう15回寝ると、お正月となりました。(気が早いですが)

少しずつ年の瀬感が出始めてきたこのごろ、僕が働くコルクでは、「年末年始に楽しめる作品を毎日持ち回りで紹介する」アドベントカレンダーという企画をやっています(こちら)。本日は僕の担当回となったので、おすすめ作品を紹介します。

年末年始、それは大人にとってのモラトリアム期間のようなもの。予定を詰めがちな夏季休暇とくらべ、年末年始は、特に大きな予定も入れず実家でダラダラ過ごす人が多いのではないでしょうか。

そんな期間におすすめしたいのが、モラトリアムな若者たちの交流を描いた『スパニッシュ・アパートメント』です。

物語は、主人公であるフランス人大学生グザヴィエが、おじさんに勧められるまま、就職に有利だからという理由で、スペイン・バルセロナ大学院に1年間の留学を決めるところから始まります。

故郷を離れて暮らすことになったグザヴィエは、少しでも生活費を減らすため、ヨーロッパ各国から集まった同年代の学生たちと同じアパートの1室で暮らし始めることに。

1年間の共同生活の中で起こるのは、バルセロナの街をぶらぶら歩いたり、生活習慣の違いからちょっとした喧嘩が起きたり、同居人の浮気が彼氏にバレないように皆で隠蔽工作したり、お酒を朝まで飲んだり。言ってしまえば、なんてことない、でもかけがえの無い日々。

そんなモラトリアム期間の中で、だらだらと日々の生活を楽しみながらも、グザヴィエは、時折自分の今後の人生に思いを馳せます。モラトリアムが終わり、グザヴィエがどんな人生を選択するのかは、ぜひ映画を観て、確かめてみてください。

この映画を大学生の頃に観てバルセロナが大好きになり、大学の卒業旅行と、コルク入社前の有休消化期間のこれまで2回、バルセロナに滞在し、映画同様に、街を歩いて、サグラダファミリアを見て、海を見て、ご飯食べて、お酒飲んで、というモラトリアムな過ごし方をしています。

人生には、時々そういう意味があまりない、モラトリアム期間が必要な気がしてます。それは、モラトリアム期間を通じて、グザヴィエのように自分の人生とじっくり向き合えるから。

コルクでは、「さらけ出す」ということを行動指針にしています。でも、僕も含め社員の皆、簡単には心をさらけ出すことができていません。

なんでかなと最近思うのは、「さらけ出す」ことが難しいのではなく、その前にある、「自分の心が何を感じているか」をちゃんと理解するのが難しいのではないかということ。

だからこそ、「さらけ出す」ための第一歩として、まずは年末年始のモラトリアムの中で、じっくり自分の心と向き合えればいいんじゃないかなと思います。来年から本気出す!って気持ちとともに。



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