【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 お寺の檀家の子供達とは度々、閻魔大王って本当に、いるの、いないの、の話に。

数日前の6月2日、わが寺では夏越しの護摩法要が行われました。その法要に家族連れで来ていた小学生達が拙僧に「住職さん、あそこに座ってる(わが寺の閻魔を指差して)閻魔大王って、本当にいるの」と恐々質問を。その質問が耳に聞こえた大人達も、子供達よりも恐々と横目で拙僧と子供達の様子を見ながら、耳をそば立て、聞かないふりして、聞いている姿が。そりゃ、そうだ。何せ、閻魔はんとの接見の時期が近いですもんね。檀家の子供達の『閻魔いる、いない質問』は、結構受けますよね。

対し拙僧、その質問を受けて子供達に「知らんがな。死んだ事がないから。だけど、死んだ後であの世に逝った時にくさ、本当に閻魔はんがいたら、どうするや。その時にゃ、もう、間に合わんぞ。閻魔はんが本当にいても慌てない様に、この世にいる時に、しっかり親孝行しときな。加えて、お爺ちゃん、お婆ちゃんも大切にしときな。友達とも仲良く、嘘は付かず、正直に、真面目に、何でも一生懸命に努力しな。されば、死んだ後で閻魔はんが本当にいたとしても、慌てる事なく、堂々と会う事が出来るだろ」と。この方便、子供達には相当に響くみたいで。

偶に、この方便(閻魔の存在有無話)を聞いた檀家ご老人達が「流石に私達は、もう間に合わんよな、住職」と。対し拙僧「人間、死ぬまでは、生きとかにゃならん。閻魔はんがいると仮定したなら、会うまでには、あと数年は時間があるでしょ。閻魔はんに努力を認めてもらうしかないよね」「そうか。それしかないよな、住職」「やれる事は、やっておきましょう」と。

方便の話といえば、閻魔大王ですが、実は地蔵菩薩の化身であると。『地』に『蔵』と書いて『地蔵』と。考えたら、大地の下には、人間が命を保つ為に必要な物(宝物)が無尽蔵に。その昔、宝物は『蔵』という倉庫に。そこで『地』に『蔵』と書いて、地蔵という信仰が。されば、地蔵(大地)が閻魔はんなら、私達の行動は全て見られているという事に。よって『閻魔に、嘘は通じん』という事に。これも、子供達や、身に覚え(様々な罪)のある大人達には、相当に響く話の様で。仏教徒の国によっては、大地にゴミを捨てたり、唾を吐いたりしたら、罰金を取るところも。「何を仏さんの顔に、唾を吐き掛けとるねん」という事なんですかね。まあ、実際のところは『綺麗に』でしょうが。この情報も子供達には、影響が大きい様で。これらは『憶測、方便』の会話だけど、結構、面白いでしょ。

因みに、罰金といえば観光の際に、日本人は気を付けた方がいい国が、ちらほらと。

【シンガポールでは】

煙草のポイ捨て、 道端にゴミ捨て、ガムの持ち込みは、数万円の罰金。

【台湾では】

電車内は勿論、ホームでの飲食が禁止。日本円で最大26000円の罰金。

【イタリアでは】

ローマのスペイン広場での飲食は禁止で、25000円の罰金。ヴェネチアでは、鳩に餌をやるだけで、7万円の罰金。

【アメリカのハワイでは】

横断歩道以外の場所を横切ると、13000円の罰金。

【香港では】

日本でよく見かける駆け込み乗車は、7万円の罰金。

【イギリスでは】

地下鉄の乗り越しが禁止。清算が出来ないので、14000円の罰金。

最後に『あの世関連』の余談ですが、世に『戒名』というものが。戒名は『生前戒名』といって本来は、生存中に授かるがほんと。これを檀家さん達に話をすると、檀家90代爺様が「若(拙僧の事)よ。わしに戒名くれや」と。すると、横にいた婆様(爺様の奥様)が「住職さん、遠慮気兼ねなく、真実(生き様)の戒名を授けてよかですよ」と不適な笑みを浮かべながら。「それじゃ」という事で『天寿院好色一代居士位』と受戒を。すると、爺様絶句、婆様大爆笑。読者様のご察しの通りです。この爺様は、数えきれないくらい浮気を。すると爺様「こりゃあかん。こんな戒名付けられたら、100年先の子孫にまで『この先祖(人)、相当な色ボケだったんだね』と笑い者に。若(拙僧)よ、この戒名、どうにかならんや」と。「そう言われてもね、自分がやらかしてきた人生だもんね」「そこを何とかならんか」「そうだね。だば、死ぬまでにまだ、数年あるでしょ。この間の生き様次第で『天寿院伴侶一筋居士位』に変えてやってもいいかな」「そうか、御意。婆さんを大事にする」と爺様が。まあ、いろんな事があったとしても、60年も共に人生を。変えた戒名でも、正解かな。

人から「住職の仕事の中で、最も好きな業務はなんですか」と問われたら、拙僧「戒名を付ける事」と答えますかな。わが寺では戒名は無料です。建前は『名無しの権平』であの世に逝かせる訳には、ですが、本来戒名は、わが先祖の素性を知るには、最も参考になるもの。拙僧の俗名は『山本博文』と言いますが『山本博文位』では、何(仕事)をした人か、どんな人柄だったのか、さっぱりわからん。拙僧は枕経に伺った時、必ず遺族(伴侶、子孫)に「故人の生き様、人柄を漢字1字で表すとしたなら、どんな漢字を選びますか」と尋ね、それを戒名の中に入れ込んであげております。遺族が自分達で「ああでもない、こうでもない」と真剣に考えたものですので、戒名というものに深い思いが篭って、いつまでも故人の思い出(生き様)が心の中に。『忘れない事こそが、本当の意味での供養』ですもんね。

【追伸】
時々「あの世って、本当にあるの」と。対し拙僧「知らんがな。死んだ事がないから。が、拙僧はあると信じたい。祖父母、父母、知人達にもまた会いたいから。家内ともこの世だけでなく、未来永劫一緒に居たいから、拙僧にとっては『あの世』というものがあってもらわなきゃ困る」と質問者達に。因みに「次の世でも、あの世でも、お墓でも、今の伴侶と一緒に居たいですか」の問い掛けに「一緒に居たい」と答える旦那さんは多いが「真っ平御免被りたい」と答える奥さんは大半であるとの事。いったい何をしてきたの、旦那さん達は。まだ間に合いそうな旦那さん達は、修復及び改善に、急ぎなっせ。

【おまけ】

ここから先は

140字

¥ 300

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?