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【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 結婚は人生の墓場、なる言葉は、勘違いしてる人が数多に。本来の意味は「お墓の中まで、一緒に行きましょうね」という事にて。

今日の法話は『父親の威厳』について、ほんの少しだけ、考えてみましょうかね。拙僧の後輩住職の娘っ子(現在21歳)が数日前、わが寺の法要を手伝いに来てくれまして、その時「おいちゃん(拙僧の事)、あのさ、私ね、彼氏が出来たんだよ」と。「ほう、そうか。そりゃ、上々やな。どれ、見せてみい」と。「えっ、見せろって、何を」「えっ、じゃあるか。スマホに入れとろうが」と。その彼氏の写真を見ていると、その娘っ子が「おいちゃん(拙僧の事)が『結婚相手は、容姿なんかで選ぶんじゃなかぞ。30年立ったら、契約違反だ、と叫びたくなるくらい変化しとる。太ってるわ、禿げ散らかしてるわ、と。そんな夫婦を山ほど見てきた。特に顔なんてくさ、女性は80歳を過ぎれば大半は、亀、になっとるし、男性の大半は、猿か犬、になっとる』と言ってたでしょ。だから私は、性格重視で、顔では選ばなかったからね」「ほう、スマホの写真だから、生(なま)とは多少違うだろうが、どう見てもこの男性、誰かに似てはいるが、男前だと思うが」と。

その会話中に、横から母親(後輩の妻)が「英照(拙僧の事)さん、この人(娘っ子)ね、父親(拙僧の後輩)の写真を彼氏に見せといて、死んでいる事を言わなかったのよ。どう思う」と。「ほう、そりゃ、正解だな」と返すと、娘っ子が「ほら、ね、おいちゃんなら、そう言ってくれると思った。まだ、結婚すると決まった訳じゃないんだもんね。そこまでいう必要はないじゃん」と。返して、母親が「えっ、なんで娘の肩持つんですか、英照(拙僧)さん。今度、その彼氏が家に挨拶に来るのよ」と。「そりゃ、楽しみだわ。鴨居に飾ってあるあいつ(拙僧の後輩)の遺影を見た時の、彼氏の表情が見ものだな」と。

続けて、拙僧「ところでくさ、スマホの中のお父さんの写真を見て、彼氏はどんな表情をしてたかい」と娘っ子に尋ねると「あのごっついガタイに、黒っぽい背広、坊主頭(住職だから)にサングラスでしょ。顔が引き攣ってた」「そうだろうな。こりゃ、ほんと、見ものだわ」「笑い事じゃないわよ、英照さん」と母親が。「だけど、インパクトは大だよ。一生、このスマホの写真(娘っ子の父親)が、彼氏の頭の中にこびり付く事になる。結婚後、夫婦喧嘩の度に、旦那の脳裏にあいつ(拙僧の後輩)の顔が浮かんできて、どんなものよりも勝る抑止力になるばい」「死んでる人が、抑止力になる訳がないじゃないですか」と母親が。「そんな事ないよ、なるよ。娘っ子は父親似だろ。娘っ子の顔には常にあいつ(父親)の面影が」と。そして、娘っ子に「彼氏が挨拶に来た時の状況報告を、おいちゃんに話して聞かせいよ」と言うと「結婚が決まりそうになったら必ず、彼氏をおいちゃんのお寺にも連れて行く。彼氏、ダブルパンチ(恐怖)だね、楽しみだわ」と、その娘っ子が。

さて、結婚といえば『結婚式』と、こうくる訳ですが、昨今は、葬式をしない家も増えてきましたが、結婚式をしないという家も、ちらほらと耳に。そうなると、メリハリもなくダラダラと。葬式においては、わが寺の檀家さん達には「故人に世話になったは、家族、親族だけではないよ。故人にお礼を言いたいという人達が、必ず一定数はおらっしゃる。その人達の心を蔑(ないがし)ろにする様な葬式をしたらあかん」と厳しく。結婚式においては「披露宴は様々事情や、その家に合ったやり方があるだろうが、式だけは、ちゃんと挙げなさいよ。結婚式というは、産んで、育ててもらった親への、また、古(いにしえ)の彼方から、1つの命をバトンタッチの様に繋いでもらったご先祖への、感謝を届ける大切な行事なんだから。神前、仏前、教会、どの形でもいいから、これだけは必ずやりなさい」と拙僧、檀家の若者達には、その様に言い聞かせております。

わが寺では、初婚はもとより、希望によっては再婚も、お寺の本堂で仏前結婚式をお受け致しております。加えて、何かしらの理由で結婚式を挙げられなかったご夫婦や、更には、後の世までも仲良く、未来永劫、夫婦であり続けたいという願いから、晩年になって心新たに結婚式を挙げ、契りを深められる老夫婦も。子供達、孫達、曾孫達も列席させて、和やかな結婚式を。晩年における式は、長年の苦楽の思い出も加わり、一味も二味も違ったものになって、なんとも知れん温かさ、奥ゆかしさを感じますよね。

【余談】

さて、余談ですが、今月(6月)も17日に1組、わが寺の本堂で仏前結婚式を。この1組とは、拙僧の長男の事なんですが、導師は父親である拙僧が勤めました。式は両家の家族のみ、披露宴はせず、家族親族で食事会を。友人達(息子夫婦の)との食事会は、後日の予定で。2年前に結婚した拙僧の長女も、それと同じ形式で。「こんな時期(コロナで生活が)に、檀家さんのお布施で生活させてもらっているお寺が、派手な結婚式、披露宴など申し訳ない」という子供達の意向を受けまして。檀家さん達へに通知は、後日、お手紙で。

因みに、結婚して子供が授かるまでの時間は、年齢に関係なく、そう大差はないとの事ですが、昨年の出生数が72万人で、人口が8000万(その内、外国人労働者は1割強)に到達するは、そう遠くない未来の様で。人口減少を防ごうと国は躍起になってますが、人口が減少している中では当然、赤ちゃんが産める年代の若者も減少を。加えて、初産の平均年齢が31歳では、産める数にも限度が。人口増加を望むは、とても無理な状況に。かく言う拙僧の長女も、31歳で長男(初)を出産。昨年、今年35歳と34歳になる長男夫婦に拙僧「人間には、それぞれ事情がある。事情の塊が人間にて。が、結婚は何歳でも出来るが、子供は何歳でも、という訳にはいかんよ。子供を1人でも授かりたいと思っているなら、そろそろ考えなさい」と。で、考えたんでしょうね、やっと、長男夫婦も。

人口減少による問題は、色々な場面で顔を出し始めましたよね。英国人に嫁いだ拙僧妻の妹は、ロンドンに住んで25年に。その夫婦の息子(現在21歳、日本語ベラベラ)が「叔父(拙僧の事)さん、ロンドンは16時以降になると、雰囲気がガラッと危険な様相に変わるんだよ。その最大の理由は、やっぱり移民かな。日本は移民制度をとってないが、人口減少による外国人労働者の増加で、恐らく近々に、ロンドンと同じ状況になるんじゃないの。もう既にあちこちで、外国人労働者同士が喧嘩をしてるでしょ」と。

以前、拙僧の講演会に参加をしてくれていた、学力優秀校の女子高生達に上記の話を。講演会の冒頭で「この中で結婚したくないと考えてる子は何人いるの、手を挙げてごらん」と問うと、何と8割近くが手を挙げた。対し、拙僧「この講演会が終わった時には、その考え方を変えてやるからな」と上記の話を詳細に、様々な事例を加えて念入りに。そして、最後にもう1度「結婚をしたくないと、まだ、思っている子は、手を挙げてごらん」と尋ねると、8割いたのが、2割ほどに減少を。対し、拙僧「まあ、この先、君達の考えがどう変わるかはわからんが、このまま(日本の現状)いけば、かなりの確率で数十年後には、女の人が夜1人で歩けない国になるだろうね。『この国(日本)は昔、ものすごく安全な国だったそうだよ』という言葉が近い将来、人々の口から。そんなの嫌だろ、なれば、他者は関係ない、自分はどうあるべきかを、考えていこうな」と。その後、この女子高生の内の何人かから「絶対に結婚して、子供を育てるからね、住職」という手紙が届きました。

人口減少を食い止める事は、この国はもう、無理な話になりつつあります。今後、様々起こりくるだろう問題を、どう予想して、どう対処していくかを、真剣に考えていく時期に来ているのではないかと。世界で唯一残っていた平和で安全な国(日本)も、その神話は近いうちに崩れていく事になるでしょうね、このまま手をこまねいて、ほっておいたら、ですばい。こういう話をすると読者から「本当に、もう、手立てはないんですかね」という問い掛けが。対し、拙僧「数多の男性が戦死した、第二次世界大戦敗戦からこの国(日本)は、僅か20年で、世界第2位の経済大国に。その最大の功労者は、5人、10人産んで育てた女性陣にて。よって、手がない訳ではない。武田信玄公が『人は城、人は石垣、人は堀』と。人というをどう捉えるかで、今後の状況が大いに違ってくるでしょうね」と。

【追伸】

拙僧はこれまでに法話の本を3冊、世に出して頂きました。そのご縁がきっかけとなり、テレビ(約半年、週1回)、ラジオ、新聞、雑誌などや、教育委員会、学校、幼稚園、病院、老人ホーム、デイサービス、町内会老人の集い、倫理法人会、他宗寺院、葬儀斎場、社員研修などへの講演(北九州在住の拙僧が、遠方では九州南部、関西、関東、北陸、東北まで)にも呼んで頂き、方々で法話交流を。あらゆる話とまでは言えませんが、様々なジャンルである程度(仏教仏事系の他にも、癒し系、漫談系、人生系、目から鱗系、子育て系など)の話が出来ると思いますので、何かのお役に立ちそうでしたら、時間調整の許す限り、集いの大小問わず(参加者数人でも)足を運ばせて頂きますので、お気軽に、facebook、X、Instagram のメール(コメント欄)で、お声を掛けてくださいませ。勿論、この様なお話でいいなら、でございますが。拙僧も今年で62歳。これより先の残された時間を、1人でも多くの人のお役に立てれば、との思いです。

約10年間でSNSに投稿した3000話の長短法話を、下記で読む事が出来ます。近頃は、有難い事に、他宗のご住職様達や、寺院の奥様(坊守、寺庭)達から「住職(拙僧の事)の法話を、檀家さん達に使わせてもらっていいですか」との連絡が頻繁に。「お役に立ちますれば、幸にて」と快諾を。SNSとは、良きご縁も頂けるので、有難いですね。

金剛寺ブログ    :https://blog.goo.ne.jp/junko-0808

金剛寺ツイッター  :https://twitter.com/kongouji093

金剛寺フェイスブック:https://www.facebook.com/天徳山-金剛寺-1543297575974719/

拙僧が持つグループ「出会うは運命、出会ってからは努力、最後は感謝」

金剛寺インスタグラム:https://www.instagram.com/tentokuzan_kongouji/?

【追伸】尚「法話が長い」と不快感を示されておられる方々には、大変心苦しく申し訳ないので、拙僧の法話が目に入らない様に『ブロック』をさせてもらっております。楽しみにされている方々もおられますので、ご理解頂きまして、それでどうか、ご容赦くださいませ。

【おまけ】

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