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【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 知識は学問から、その知識を活かす知恵は経験から。経験なき知識は、ただの『物知りさん』でしかない。

暑中お見舞い申し上げます。これより先は厳しい時節が続きますので、読者の皆様方におかれましては、どうぞ、お身体の方、ご自愛下さいませ。

【法話本文】
さて、夏時季といえば、やはり『熱中症』となりますが、今日の法話は、ご老人と若者の絡み話を少しつらつらと。拙僧の叔父(父の妹の夫)は当年94歳で、千葉県の君津市というところに住んでおりますが、夏時季(お盆)に伺うと、玄関を開けた途端に家の中から外へと、とんでもない程の熱風が。とても家の中に入れる状態では。叔父に「クーラーはどうしたの。壊れてるの」と聞くと『クーラーなど使う必要ない。わしは、暑くないんでな』の返答が。体の体温調節が狂っている(寒暖の感覚がバカになってる)は、この叔父だけにあらず。檀家のご老人達にも何人か、そんな人がおらっしゃるんですよね。

数年前の事ですが、80代の檀家婆様に「息子さん達が、新しいクーラーを買ってくれたんだから、使わんとあかんよ」と何度注意をしても「暑くない」と聞く耳なし。「自分は暑く感じてなくても、世の中(夏時季)は暑いんだよ。『冷房の29度』でいいから、その様に設定して、夜はつけっぱなして寝なさい。死にたくないなら」と注意したのに、その忠告を聞かず、寝ている間に熱中症で他界を。『私は、99歳まで生きるんだ』と言ってたくせに。99歳まで生きたいなら、99まで生きれる工夫をせにゃ、ですね。

この檀家婆様は面白い人で、喋り出したら機関銃の様に何時間も、それも同じ話を何度も何度も繰り返して。拙僧が喋くる婆様を無言で、じっと見つめていると「何ね、英照(拙僧の事)さん」と眉間に皺を寄せるんで「いや、ね、いつ息継ぎ(呼吸)してるのかな、と思って」と。「そんなに喋ってるかい」と返すので「99で死んだ時、婆様は棺桶の中でも喋ってるんじゃないの。喋ってたら『婆様、黙らんか、あんたは死んだんだよ』と耳元で言ってやるけんね」と。婆様とのこうしたやりとりは、年がら年中でしたね。が、実際は、棺桶の中では、見れば見るほど、よう死んでて、一言も。喋るだけ喋り倒して、この世を旅立って逝ったんでしょうな。それでこんな穏やかな顔に。いや〜、寂しかったですね。こういう婆様ですから、まだまだ泣き笑いのエピソードが。その話は、次の機会に。

亡き父は相談者の対応について、拙僧に「檀家さんの口を止めちゃいかんぞ。吐き出すだけ、吐き出させてやれ。それで胸がすっきりするんだから。相談に来た人にも、必ずそうしろ。人間関係の拗(こじ)れで相談に来た人には、特に、只々黙って話を聞いてやっとけばよか。相談者は皆、愚痴や文句、不平不満や悪口から始まりだすが、その内、自分も悪かったと反省が始まり、最後は自分で勝手に解決策を導き出しよる。人は教えられても身に付かん。人は気付かにゃ身に付かんでな。相談者が気付く様に導いていくが、お前の、住職としての役目だ。この事は忘れるな」と。

さて、熱中症の話に戻しますが、老齢者(老齢者か否かは、ご自分で判断を)の人達は、決して他人事と思わないでくださいね。人はどうした事か『自分だけは死なん』という根拠なき変な自信を持ってるみたいで。死を受け入れたくない、という心の表れなんでしょうかね。ところが人間は、誰1人として、明日の命を約束(保証)されている人は、いないんですけどね。ご老人を抱えている若い年代は、この時季(7月、8月、9月)は、よくよく注意をしてあげてくださいね。また、若いからとても、たった今まで何ともなかったのに、突然急に症状が起こるが、熱中症ですので。水分補給は小まめに摂りましょう。江戸時代後期の文人、狂歌師の太田南畝さんが辞世の句で『今までは、人の事だと思うたに、俺が死ぬとは、こいつはたまらん』と言っておりまっせ。

【知識、知恵、経験】
これは余談ですが、昨日の事ですが、朝早く、拙僧法話読者の若者から「住職は若い人へのアドバイス、というか、少しきつめの注意をした事って、ありますか」と。「どうしたの、何かあったの」と問うと「いや、ただ、あるのかな、と思いまして」と。「そうだね、昨今、少し気になる事といえば、例えば、例えばだよ。君は、車の免許を持ってるかい」「はい、持ってます」「運転する事はあるの」「はい、仕事で」と。「じゃ、ペーパードライバーではないんだね。教習所の本を読むと、逐一詳しく運転に纏わる説明が書かれているでしょ。それを読むと、もう、運転が出来る気分になる人が、拙僧の周りには結構多かったんだよな。そういう勘違い者が。その免許取り立て君に『じゃ、運転してみな』と運転させると、顔を引き攣らせながら、出発する前からあたふたして、周囲に迷惑を掛けながら、路上走行を。教習所での実習時間は、人によりまちまちだが、約30時間だろ。30時間って、たったの1日だよ。そのたった1日、教習所で練習(運転)してきただけの者(ど素人)が、様々な事が起こりうる路上に出てくるんだよ。考えたら、おっかないよね。経験がないんだから、そりゃ、本人達も怖かろうよ」と。

続けて、この読者若者に「拙僧の爺様(35年前に他界)というは、凄く厳しかった人でね。拙僧の父親(21年前に他界)というは、勉強が凄く出来る人だったが、勉強が出来るが故に、知識が先に立って、それは屁理屈も多かった様で。常に爺様(父親の父)から『知識は学問から得られるが、その知識を活かす知恵は、経験からしか得られん。経験なき知識はただの、物知りさん、でしかない。ただの、物知りさん、では、実践で役には立たん。本の中だけで生きてんじゃねえよ』と怒られていたそうな。その言葉を今度は、10代の頃の拙僧に父親が。その言葉を更に拙僧が、バリバリ理系の屁理屈こき息子達に。昨今は、この話を若い人達にする事が、結構に多いかな」と。すると、この若い読者が「実は会社で、上司が何を自分に言っているのか、理解に苦しんでいましたが、そういう事を言いたかったんですね」「ほう、すると、この話はピンポイントだったんかい。流石、英照(拙僧)さん。自分で自分を褒めたろ。まあ、そりゃ、よかった」と。

【付録】
拙僧はこれまでに法話の本を3冊、世に出して頂きました。そのご縁がきっかけとなり、テレビ(約半年、週1回)、ラジオ、新聞、雑誌などや、教育委員会、学校、幼稚園、病院、老人ホーム、デイサービス、町内会老人の集い、倫理法人会、他宗寺院、葬儀斎場、社員研修などへの講演(北九州在住の拙僧が、遠方では九州南部、関西、関東、北陸、東北まで)にも呼んで頂き、方々で法話交流を。あらゆる話とまでは言えませんが、様々なジャンルである程度(仏教仏事系の他にも、癒し系、漫談系、人生系、目から鱗系、子育て系など)の話が出来ると思いますので、何かのお役に立ちそうでしたら、時間調整の許す限り、集いの大小問わず(参加者数人でも)足を運ばせて頂きますので、お気軽に、facebook、X、Instagram のメール(コメント欄)で、お声を掛けてくださいませ。勿論、この様なお話で良ければ、でございますが。拙僧も今年で62歳です。父親の他界年齢を基準にすれば、あと僅かに10年。これより先の残された時間は、1人でも多くの人のお役に立てれば、との思いです。『今、自分に出来る事を、今やる』ですね。

約10年間でSNSに投稿した3000話の長短法話を下記で読む事が出来ます。近頃は、有難い事に、他宗のご住職様達や、寺院の奥様(坊守、寺庭)達から「住職(拙僧の事)の法話を、檀家さん達に使わせてもらっていいですか」との連絡が頻繁に。「お役に立ちますれば、幸にて」と快諾を。SNSとは、良きご縁も頂けるので、有難いですね。

金剛寺ブログ    :https://blog.goo.ne.jp/junko-0808

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金剛寺フェイスブック:https://www.facebook.com/天徳山-金剛寺-1543297575974719/

拙僧が持つグループ「出会うは運命、出会ってからは努力、最後は感謝」

金剛寺インスタグラム:https://www.instagram.com/tentokuzan_kongouji/?

【余談】

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