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脱毛症とわたし Ⅰ

これは、忘備録である。
あの暗く、悲しく、痛みに満ちた日々を忘れないようにするために。
何日も何日も、声をあげて泣き続けた日々を、過去のものにしてしまわないように。
そして、誰かの心を少しでも慰めるものとなるように。
2021年11月、大学3年生の私の、脱毛症にまつわる記録を残しておこうと思う。


本題に入る前に、1つだけ。
この話を書こうと思った理由を書こうと思う。

端的に述べれば、不安で不安で仕方なかったあの時、脱毛症に関して調べても治った記録が1つも見つけられなかったからである。
だから、今治りつつある私が書くしかないと思った。
治った記録がないというのは、まあ当然と言えば当然なのかもしれない。
「記録に残そう」と思うのは、治って嬉しかった人ではなく「治らず辛い思いをしているが、それでも頑張っている」人のほうが圧倒的に多い。
だが私にとって、その記録は読んでも余計苦しくなるだけで、救われはしなかった。治った例が見たかったし、じゃなきゃ余計沈むだけだった。

脱毛症で苦しむ、全ての人に。
どうか、明るく素敵な未来が来ますように。



では、ようやく本題に入ろう。
あれは、2021年の秋のことだ。
大学3年生、絶賛就活中の女子大生の身に起こったのは、それはそれはおぞましい出来事だった。

確か11月に入ってすぐのことだったと思う。
お風呂にゆっくり入ってリラックスして、さあ髪を乾かそうとしたときだった。
当時の私は胸下くらいの前髪ありロングヘアで、もっぱら下におろしたヘアスタイルで生活していた。バイトで朝が早いときだけ、適当にとかして低めのポニーテールにするのが楽で、いつもそんな感じ。顔を洗うついでに前髪を濡らして、化粧をさっさとやって前髪を整えれば最短20分で家を出られる。

まあつまり、私は髪を乾かそうとしていた。のだが。
なぜか、髪がごっそり抜けたのである。尋常ではない量だった。
とかして抜けた毛をまとめると、直径3cmくらいの毛玉になった。
その時はまだ、あまり深刻にとらえていなかった。
就活のストレスかなーと思うくらいで、特段病院を調べたり、誰かに相談したりすることもなかった。

大きく変わったのは、それから3週間たった時のことだった。

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