冬の午後とわたしの年齢とおじいさんの話。
うららかな冬の午後。
誰もいない店内でふと窓の外に目をやり、暮れかけるミルキーな空と海を眺めながら少しだけ伸びをした。
すると、通りすがりのおじいちゃんに声をかけられた。
「何見てたの?海?きれいだもんな」
まぁ、海もいいんだけど、今は海じゃなくてお日様を見ていたので、
「あ、お日様です。ほら、あったかいでしょ。
ひなたぼっこしたくなりますよね。どうですか、ソフトクリームでも。」
「ああー、空か。ところであんた高校生?成人してるの?」
何だ急に。制服(職場の)着てるじゃん、普通に。
「してますよ。普通の社会人のおばさんです」
「そうかい。そうとしか見えなかったから」
うーん。マスクしてるとはいえ、髪も茶色いけれども、この体形見たら絶対中年のおばさんにしか見えないと思うんだけど、世の中にはこんな若者もいるのだろうか。あ、いい歳した大人が仕事中に太陽見ながら伸びなんてしないもんね。。わたしは猫か。
おじいさんからそそくさと離れたらおじいさんもどこからともなく溢れ出した人の波に飲まれながらどこかへ消えて行った。
外は相変わらずミルキーな景色で、私は少しだけ背すじをしゃんと伸ばした。年相応なお腹を少し引っ込めてみた。うん、痩せよう。。。
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