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【詩】スケート靴をはいた猫

猫は冬が嫌い
寒いところが大っ嫌い
憎んでる

でもこの滑空感がいい
ほんとに空を飛んでいるみたいなのさ
ほんとは空が飛べるんだけどさ
知ってた?

エッジを利かせて
ループを描く
すいすいすい
この滑らかさ
この優雅さ

この池はね
春はたくさんの鳥が来て
夏は子供たちのプールになって
秋はトンボがいっぱい空に舞って
冬はスケートリンクに早変わり

ぼくたちの楽園さ

BGMは大気のハーモニー
雪の結晶の楽団に
朝の光の指揮者
風のチケットを手に入れて
ここに来てごらん

ほんとはね
スケートリンクなんて
いらないのさ
滑ることができるんだ
このスケート靴さえあれば

ほら
その道端で
すいすいすい
横断歩道を横切って
街のメインストリート
にぎわうショッピングモール

ひとの混雑なんて
へっちゃらさ
あらゆる隙間をくぐり抜け
暴走トラックなんか
ひとっ跳び

世界そのものがスケートリンクなのさ

だから

たくさんの子供たちに
この滑りを見せてあげたい
華麗で
美しくて
時にはコミカルに

スケート靴をはいた猫は
無敵なのさ
勝ち負けの次元を超えて
天衣無縫の存在なのさ

完璧な自由を空へ掲げて