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【詩】詩を読む人

もしかしたらそれは

仕事なのかもしれない
責任感からかもしれない
自らに義務を課していることも

詩を読む人はそれぞれ

詩を読むことに理由などなく
詩を読むことに目的などなく

読みたいから読む
好きだから読む

もちろんそんな人だっている

詩を読む人はそれぞれ


詩は

驚くほど作られ
驚くほど作られ続ける

その量と言ったら

紙の世界でも
電子の世界でも

そして
人々の心の中にも

中には
作られただけで終わる詩もある
作った本人すら忘れることも

作られた瞬間
膨大な詩の中に埋もれてしまう
その方が多いのかも


なのに

あれ

読む人がいるんだな
読んだという印がついている

詩を読む人が
数えきれない詩の中から
掬い上げてくれる

作った本人さえ
どうなんだろうこの詩
と思う詩を

詩を読む人は
そんな詩でも読んでくれる

詩を読む人がいる限り

詩は無色の砂の底に
沈むことはない