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台湾語(台語)の表記法について/介紹台語ê表記法

台湾語について、「文字がない」と勘違いしている人がよくいるので、台湾語の表記法について、簡単な紹介文を書きました。シェア歓迎します。

一台湾語研究者として、台湾語の表記法について、ご説明したいと思います。
台湾語の表記法に関しては、実はローマ字こそが正当な表記法です。台湾語の語彙のうち20-30%は、漢字語源ではない(台湾先住民族などの語彙を豊富に取り入れている)ため、ローマ字の存在は不可欠です。
ちょうど、台湾語にとってのローマ字は、日本語にとってのひらがな的な存在です。助詞の「は」・「が」・「の」、副詞の「きっと」・「やっぱり」・「しっかり」など、「漢字で当てようと思えばできなくはないけど、本来やまと言葉だし、ひらがなのほうが読みやすい」という言葉、たくさんありますよね。台湾語も、基礎語彙ほど、漢字で表しづらいものが多いのです。(例:beh=~しようとする、ê=~の、kap=~と、hōo=~に~させる,suí=綺麗な、などなど他にも沢山)

1870年代には教会ローマ字(POJ)という表記法が確立しており、長年多くの人に使われてきました。そして、2006年には、教育部が「臺灣閩南語羅馬字拼音方案」(略称:台羅/Tâi-lô →TL)という表記法を正式な表記法として公布し、現在は、このTLを使用して教科書・雑誌などが作られています。最近では、町中の看板などにも使われるようになってきていますよね。漢字と漢字の間に「ê」と書いてあるのも立派な台湾語です。

実際の使われ方としては、漢字とローマ字を混ぜ書きする方法(Hàn-lô/漢羅)が主流です。(漢字とローマ字の割合は決まっておらず、私の友人にはAllローマ字で書く人も結構います)
つまり、台湾語関係者の間では、「ローマ字(+漢字)こそが、正式な表記法である」というコンセンサスが出来ているのです。そして、台湾語を真摯に研究し継承しようと奮闘している人たちは、「台湾語には本来文字がない」という表現や、ローマ字を見下すような言動を、大変忌み嫌っております。当の台湾人の中にも、漢字のみが正統な表記法であるという勘違いをしている人が多いのも問題なのですが…。とにかく、事実誤認が広がっていることに、皆心を痛めております。

もし、台湾語について言及するときがあれば、「実は台湾語の正式な表記法はローマ字で、教育部がちゃんと「台羅/Tâi-lô」という表記法を公布してるんだよ。」「実情として、今は<strong>漢字ローマ字の混ぜ書きが主流で、教科書や雑誌、テレビ番組もそれを使っているんだよ」とおっしゃっていただけたら、とても嬉しく思います。

Guá siá tsi̍t-phìnn Ji̍t-bûn ê bûn-tsiong 「Kài-siāu Tâi-gí ê piáu-kì-huat(台湾語の表記法について)」,uī-tio̍h hōo khah tsuē Jit-pún-lâng liáu-kái lán Tâi-uân-uē ê tāi-tsì. Huan-gîng ta̍k-ke hun-hióng!我寫了一篇日文[介紹台語的表記法]為了讓更多日本人了解台語的事情.歡迎分享!

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