世界一幸せになれる卵焼き
私は見つけてしまった。
それは華美な幸せではなく、いたって質素な幸せ。
名付けて
「世界一幸せになれるたまごやき」
🪲
学校の近くに、日本茶カフェというものを見つけた。
メニューが記された看板に目をやると、卵焼きがメインディッシュと思われる写真に心を奪われてしまった。
小さなビルの階段をのぼって2階、少し重たいドアを開くと、そこに「ほっこり」という言葉が似つかわしい空間が現れる。
窓際のカウンター席を選び、例の卵焼きのランチを注文。
しばらくすると、店主らしきおじさまがあたたかい焙じ茶をもってきてくれた。
はい、すき。
日本茶カフェというくらいなのだから、てっきり緑茶らしきものがでてくると想像していた。（焙じ茶も日本茶の類だが。）
もちろん緑茶も好きだが、焙じ茶をこよなく愛す女子大生にとって、それはスタンディングオベーションの喜びだったのである。
ひとくちいただくとそれはもう。
この時点で私の心を鷲掴み、いや、私の心が鷲掴みしていたように思う。
🪲
米澤穂信先生のミステリを読みながら卵焼きを待つ。
最近私は、米澤作品の布教に成功した。
わけのわからない化学の参考書か漫画を読んでいるところしか見たことがない彼氏が、電車で小説を読んでやがる。実に良い気分だ。
本を読むと待ち時間が苦ではないし、なにより充電が減らないのも良い。
あと学があるように思えるのもおかし。
ほのかな湯気と共に運ばれてくる。
もう見た目が幸せ。
卵焼きにしか目が行っていなかったが、卵焼きの他にどうやらお漬物と白米、そして急須に入ったほうじ茶がついているようだ。
どうやらこれは、「お茶漬けをどうぞ」という名をもつらしい。
かわいらしいのぉ。
まずは卵焼きから。
ほわぁぁ…
ふわふわでいて出汁がひたひた…
冗談抜きで、これはだし巻き卵界で首席…
「幸せをかみしめる」とは、この卵焼きを噛みしめることを指すのだと思わせるほどの美味。
参りました。
どんなにチーズたっぷりのピザも、肉汁たっぷりのハンバーグも、この出汁と幸せがたっぷりの卵焼きには敵うまい。
そしてお漬物。どうやら4種類あるらしい。
ほうじ茶と同じくらいお漬物も大好きである。
とはいったものの、この四種類のうち、私が同定できるものは紫色に染まったきゅうりだけ。あとはなにかしらと思いつついただく。
くっ…
卵焼きだけでは飽き足らす、なおも私を苦しめようというのか…
どの漬物もうまい…
きっとこれを褒めるための語彙はいくらかあるのだけれど、語彙を探す手間が惜しいほどにうまい…
漬物を噛みしめ、さらにつやつやと麗しい白米をほおぼる。
はた言ふべきにあらず。
私は召されてしまうのでしょうか。
「お茶漬けをどうぞ」というくらいなのだから、本来であればお米に漬物をのせ、ほうじ茶をかけていただくのが礼儀なのかもしれない。
だが断るっ
なぜなら、やはりお茶も漬物も単体で味わいたいという気持ちが勝ってしまったからだっ
邪道でもいい。心ゆくまでこれらを味わいたい…
🪲
ほうっと一息つき、店内の壁を見ると、恐竜の絵がたくさん飾られていた。
おじさまがかいたのだろうか。
ほっこり。
どうやらこのお店では、どら焼きやねりきりなど、お茶菓子もいただけるようである。
なんと、かき氷まであるのか。
こんどはお茶の時間に足を運ぼうかしらと焙じ茶をすすり、締めとする。
ごちそうさまでした。
🪲
余談のコーナー
春ですねぇ
モクレンがかわいらしくも美しい季節です。
梅→モクレン→桜
と、被らないようになっているのは花たちの暗黙の了解でしょうか(゜゜)
こちらとしてもそれぞれのお花を愛でることができてたすかります。
さて、生き物大好き生物学科に所属している私ですが、やっと2回生から実験がはじまります。
ﾜｰｲﾜｰｲ
実験とは言っても、2回生の間は観察が多いみたいですねぇ。
((o(´∀｀)o))ﾜｸﾜｸ
実験内容の予定を見て口角があがっていく自分が気持ち悪かったです。マスクしててよかった。
4月から大きな変化がある方もそうでない方も応援しております。
来年度もよろしくお願いいたしますね☺️
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