【2019 J1　29節】横浜F・マリノスvs湘南ベルマーレ　マッチレビュー

1.はじめに

　マリノスは直近5試合、4勝1分と好調をキープ。残り試合も少ないので優勝のために負けられません。
一方湘南は監督が変わり、今節から新監督である浮嶋敏監督が指揮をとります。湘南も残留に向けて勝ちにくると思われます。

2.スタメン

マリノス：前節と変わらず

湘南：前節から3人交代　金子、杉岡、山根→山口、山田、古林
　　　フォーメーションも3-4-2-1から4-4-2へ

３．マリノスのビルドアップ

基本的に湘南の２トップがマリノスの２CBを見る。しかし湘南の２トップはボランチのパスコースを切りながらCBにプレスができていなかったのでCB→扇原に簡単にボールが入ります。扇原から仲川にロングボール。この一連のプレーは開始10分で２回あり、仲川と相手の左SBとの質的優位を生かしたかったのではないかと思われます。2点目はまさにこの形で仲川の質的優位を生かした突破からFKを獲得。マテウスのスーパーフリーキックで追加点という流れ。
扇原がCB間に下りないことで扇原自身のキック精度をより生かすことができますし、マルコスが高い位置をとることができるので決定機は作りやすくなると思います。

さらにもう一つ素晴らしいビルドアップがありました。

30分20秒のシーンです。ボールホルダーはぺナ内で幅をとっているチアゴ。喜田が相手SHを引きつけ右SB落ち、できたスペースに松原が侵入。そこにチアゴからの縦パスが入ります。相手は前からはめに来ていましたが、難なく突破。マリノスはチームとしての共通意識を持っているなと思いました。

４．たった3メートルで作れる決定機

32分47秒のシーンです。このシーンで扇原→喜田→仲川とボールが繋がりますが、ボールを受けた仲川はこの時点で相手SH、SBと１対２の数的不利な状況になっています。上図のような理想喜田の位置でボールを受けることができれば相手SHをつりだすことができ、前線は４対４の数的同数となり得点チャンスです。喜田があと3メートル前に位置をとっていたらまた違った結果になっていたかもしれません。

５．マテウス派？　遠藤派？（遠藤と高野の相性）

スタメンでマテウスを使うか、遠藤を使うかはマリノスのレビュワー、サポーターの間で話題になっています。僕は遠藤派です。
マテウスは内側にポジションを取りたがるのかなと思いました。その場合、幅をとるのは左SBのティーラトン。これに関しては決められた位置に人がいることが重要なので実際誰でも大丈夫です。しかし、内側(ハーフスペース)にいる選手にはインナーラップが求められます。マテウスは幅をとっているティーラトンの外を回りボールを受けようとする場面が何度かありました。湘南のSBとCBの間はかなり空いていましたがそこを突く人は少なかったです。

さらに、マテウスが内側に入ることでマルコスとポジションが被ることが何度かありました。

このようにポジションが被ってしまうと相手に圧縮されボールをロストする可能性が高くなります。相手を広げてボールロストの可能性を少なくする、味方にスペースを作るためにはタッチライン際に張る必要があります。

このプレーが上手なのは遠藤。

このように外に張ることで、遠藤自身が相手SBと１対１の状況を作ることができますし、マルコスが自由にプレーできるスペースを作ることもできます。
さらに高野との相性は抜群に良いと思いました。

遠藤が幅を取ると高野は常にハーフスペースに位置をとっています。この高野のポジショニングはめちゃくちゃ良いです。サイドで２対１の数的優位になりますし、相手SBがWGに食いつけばハーフスペースの深い位置を取ることができ、高野を気にして内側にポジションをとれば遠藤がドリブルで縦に突破することができます。実際に今節でも高野、遠藤お互いがハーフスペースの深い位置をとりあっていました。

ハーフスペースの深い位置をとる重要性はこの試合でも感じることができます。前半アディショナルタイムのポストに当たった喜田のシュートシーンです。

マイナスに出さずにゴール前にボールスピードの速いクロスをあげても触るだけで点が取れますし、オウンゴールになる可能性も高いです。
ハーフスペースの深い位置に侵入することで得点確率が上がりますし、マリノスの得点はこのパターンが多いのも事実です。

６．さいごに

最後までお読みいただきありがとうございます。
結果は３－１でマリノスの勝利
今節はマリノスの攻撃に重きをおいてレビューを書いてみました。
今節の勝利、そして鹿島が引き分けたため首位との勝ち点差は１。　首位がだんだんと近づいてきました。残り5試合　どれも難しい試合になると思いますがリーグ優勝に向けて全員全力でマリノスを応援しましょう！