見出し画像

【2021 J1 第7節】 横浜F・マリノス vs 湘南ベルマーレ プレビュー

お久しぶりです。第3節以来のプレビューとなります。

マリノスは公式戦4連勝と好調ですね。今節も勝利し、好調を維持したいところです。個人的には今節が今季初の現地観戦なのでとてもワクワクしています!

この記事はマリノス視点で進行していきます。

チーム状況

・横浜F・マリノス
順位:8位 勝点:10 (5試合消化)
公式戦4連勝中 (リーグ戦3連勝中)

3/27(土)に行われた ルヴァン杯 Home 広島戦 5-0で勝利。中6日で今節を迎える。次節、中2日でHome C大阪戦を控える。
・湘南ベルマーレ
順位:16位 勝点:4 (6試合消化)

3/27(土)に行われた ルヴァン杯 Home 横浜FC戦 1-0で勝利。中6日で今節を迎える。次節、中3日でHome 名古屋戦を控える。

予想配置と噛み合わせ

まずは予想配置から

画像1

この記事に出てくる各ポジションの表記名は上図のものを使用します。
(※但し、各ポジション左右関係なく、両サイドの選手に言える場合はRやLの文字を省略して表記します。 DH=ボランチ)

続いて噛み合わせ

画像2

湘南の主なメンバー

リーグ戦直近3試合の各ポジションに入った選手

表記は背番号 名前 (利き足 R:右、L:左)です

画像3

4局面と時間帯

・自陣での攻撃 (湘南の敵陣での守備)

湘南はハイプレス、ブロックを組んでの守備を使い分けてきます。

噛み合わせ図の通りマリノスのSBが浮くので、マリノスはSBを使い湘南の選手がマリノスのSBにプレスに来ることで生まれるスペースをうまく使い、前進したいです。これは湘南のハイプレス時、ブロック時でも変わりません。

湘南のハイプレス時、ブロック時の特徴とマリノスがやりたい事を紹介していきます。

■ハイプレス時

画像4

マリノスはサイドで数的優位を作ったところからの前進を狙いたいです。
そのためにマリノスWGが幅を目一杯取り、湘南WBをピン留めできるかが自陣での攻撃においての最重要ポイントになります。

マリノスWGが湘南WBをピン留めできていると...
湘南2CFはマリノスDHを監視したところからマリノスCBにプレス。マリノスCB→SBへ繋がると、マリノスSBには湘南IHがプレスに来ます。
この時にマリノスDHがボールサイドに寄り、湘南IH vs マリノスSB,IHの数的優位を作ることで湘南のハイプレスを剥がせるでしょう。
マリノスDHがどこまで寄って、どこでボールを受けるのか注目です。

湘南IHがマリノスSBにプレスに来た時に空く湘南IH裏・AC脇を突くマリノスの選手には湘南HVが前に出て対応してくるので、湘南HV裏を使った攻撃をマリノスが仕掛けてくるのかも見どころです。

またスタメンと予想される湘南CF大橋(No.17)は下図のようにマリノスDHに付いていく守備意識が他の湘南CFより高いので、『大橋サイドからボールを運び、大橋を釣り出しマリノスDHをフリーにして前進』すると比較的楽にボールを回せると思います。マリノスがどちらのサイドから攻撃を始めるか、注目してみると面白いかもしれません。

画像5


マリノスWGが湘南WBをピン留め出来ていないと...

画像6

マリノスSBに湘南WBがプレス、マリノスDHには湘南IHが付くためサイドで同数になってしまい湘南のプレスが嵌まります。

湘南のプレスが嵌った時は
・湘南WB裏にマリノスWGを走らせロングパス
・GKまで戻して逆サイドに持っていく
(湘南の中盤全体はボールサイドに寄るので逆サイドが空く)
この2つが有効です。

■ブロック時

画像7

湘南は5-3-2の形でブロックを組んできます。
・湘南2CFは中央を締める→サイド誘導
・湘南中盤はボールサイドにより圧縮
・浮くマリノスSBには湘南IH or WBがプレス
・湘南WBはHVにマリノスWGを受け渡すこともある
・湘南最終ラインの選手は全員人に食いつきやすい
・ライン間コンパクト

湘南5-3-2ブロックにはこのような特徴があります。

これに対してマリノスがどのように敵陣へ侵入するのか注目です。
・DHが降りて最後方で数的優位を作るのか (湘南2CFはマリノスCBまでプレスに来ないこともあるので、その時はDHが降りない判断をするのか)

・誰かの降りる動きで湘南DFを食いつかせた背後に誰かが抜け、後方からロングボールが出るのか
・後方でボールを素早く回し逆サイドに持っていくのか

これらを状況に応じて使い分けることができれば、湘南5-3-2ブロックを崩すことができるでしょう。

・敵陣での攻撃 (湘南の自陣での守備)

敵陣での攻撃ですが、マリノスが狙いとするところや湘南の特徴は自陣での攻撃とあまり変わりはありません。

■湘南の自陣での守備 特徴
・5-3-2ブロック
・5-3-2でセットしたところから、人を潰しにくる
・IH裏,AC脇を突くマリノスの選手にはHVが前に出て潰しにくることもある
・押し込まれるとライン間コンパクト

■マリノスの狙い
・相手が空けたスペースに次々と侵入する
・湘南DFの背後に積極的に抜ける
・湘南DFが前に出た裏を突く
・ボールを素早く動かしサイドを変える


・相手が空けたスペースに次々と侵入する (サイドで数的優位を作る)

画像8

マリノスWGが外に張り湘南WBをピン留めできていれば、マリノスSBには湘南IHがプレスに来るでしょう。
それにより出来るIH裏,AC脇のスペースを突くマリノスの選手がいるのか
そのマリノスの選手に湘南ACが釣られた時、湘南FW-MF間が大きく空きます。湘南FW-MF間に侵入しマリノスSBのサポートをする選手がいるのかは注目です。

サイドで数的優位を作って前進したいマリノスですが、サイドでの数的優位に関わるのがDHの選手ならばマリノスDHの位置取りはとても重要です。
湘南2CFに対して、後方で数的優位を作るためにマリノス2CB間にDHの選手が降りてしまうと、サイドに関わるのに距離的な問題が発生します。
マリノスDHが湘南2CFの間に入り、マリノスCBが湘南CFを釣り出したところから攻撃をスタートすることができれば、スムーズにサイドで数的優位を作ることができ、ボールを楽に回すことが出来ると思います。

マリノスCBは相手のプレスが掛かっている状態でも正確にボールを繋ぐことができるので是非チャレンジして欲しいですし、『マリノスCBが湘南CFをどのくらい釣るのか、マリノスDHの立ち位置』はボールをスムーズに動かす上で重要なポイントになります。

画像9

また上図のように湘南IH裏,AC脇を突くマリノスの選手には湘南HVの選手が、マリノスCBからの縦パスを後ろ向きで貰う選手に対して湘南ACの選手がプレスにきて嵌めてくる場面もあります。
この時マリノスSBが内側に絞って中盤を助けてあげることも重要です。


・湘南DFの背後に積極的に抜ける

湘南は押し込まれるとライン間をコンパクトにして守備をしてきます。
マリノスは足元でボールを受ける攻撃だけだと、湘南の5バックを崩すのは困難です。
そこで重要なのは湘南DFの背後に積極的に抜けるプレーです。

画像10

大外でボールを持つ選手に対して、ニアゾーンランをする選手はいるのか
それに湘南の選手が釣られ、湘南全体が押し下げられる→バイタルエリアが空く。
そこを使うマリノスの選手はいるのか
これは5バックを攻略する上で重要な動きです。

また湘南のHVの選手はボックスでのクロス対応を第一優先(ボックス内の敵選手数が3人以上なら)としているので、マリノスは湘南WB-HV間を広げニアゾーンランを行うために、クロスに対するボックス内の人数を工夫してくるかもしれません。


・湘南DFが前に出た背後を突く

画像11

湘南のDFは対人を強みとしているため、敵選手に付いていく意識が強いです。
マリノスはそれを利用した攻撃ができると一気に湘南ゴールへと迫ることができます。

上図のように、マリノスOHの降りる動きで湘南HVを釣った背後にマリノスWG,SBが抜けて、そこへ後方からのパスが出るのか注目です。


・ボールを素早く動かしサイドを変える

画像12

湘南の中盤3枚はボールサイドに寄るため、逆サイドには大きなスペースがあります。そのため、ボールを素早く回しサイドを変える攻撃は有効です。

湘南は中盤3枚のスライドが間に合わないため、湘南WBがプレスに来ます。
しかし、マリノスSBまでかなり距離があるのでマリノスSBは余裕を持ってボールを持てると思います。
この時に湘南WB裏を突く選手はいるのか注目です。

もしマリノスSBの判断が遅くなり湘南WBに寄せられ、湘南IHがWB裏を埋めたとしても、湘南AC-IH間が開くのでライン間への縦パスも有効です。


・敵陣での守備 (湘南の自陣での攻撃)

■湘南自陣での攻撃 特徴
・基本的にゴールキックは繋がずロングボール 繋ぐ回数 少
・最後方から前線へのフィード
・ACが最後方に降りる
・CBやHVのドライブ
・ACは展開力がある
・湘南の選手はプレスに弱い

■マリノスの狙い
・全体が連動してプレスに行ける状態なら前からプレスに行く(マリノスFW-MF間が間延びしないように)
・湘南ACがフリーの状態は作らない or 湘南ACへのパスコースを消す


湘南GKからの繋ぎの回数は少ないですが、湘南GKから繋いでくればマリノスは嵌めるチャンスです。

画像13

湘南GKから繋ぐ時は、湘南CBがGK横に立ち両HVが幅を取ります。
この時、湘南両WBは高い位置で幅を取り、両IHできるだけ降りてこないで前線に残ります。

湘南はACに展開力のある選手を置き、ACを経由して前進を図ります。
マリノスはしっかりと湘南ACを抑えて、湘南ACにパスを入れさせないことが重要です。

湘南はACにボールが出せない状況になると、WBが降りてきてボールを受けようとします。これに対してはマリノスSBがしっかり付いていき、前を向かせないことが大事です。
湘南WBは前を向けないとACへのパスを選択します。マリノスはこの時も湘南ACへのパスコースを消して(湘南CBにプレスにいった選手がプレスバックするのか、他の選手が見るのか)湘南ACにボールを受けさせないようにしたいです。

これが出来ると、湘南の選手はプレスに弱いのでマリノスはボールを奪取することができます。

またこの守備にはマリノス中盤の選手の連動も必須です。
湘南CB,HVは前にスペースがあればドリブルで運んできます。
マリノスFW-MF間が間延びして湘南CBに前に運ばれマリノスDH脇を湘南IHに使われ前進される展開は避けたいです。

前からプレスに行くのか、行かないかの判断が重要になってきますし、今シーズンマリノスが取り組んでいることだと思うので注目したいポイントですね。


・ACが最後方に降りる
マリノス3トップに対して、湘南はACが降りて最後方を4枚にして数的優位を作り湘南ACをフリーにしたところからサイドへの展開をしてきますが、この時も湘南ACにしっかり寄せて自由にボールを蹴らせない事が重要です。


■湘南 マリノス陣内への侵入の仕方と陣形

画像14

・両WB,両IHが最前線に入り3-1-6が基本形
・最後方,ACからWBへのフィード
・片方のIHがACと並行の位置まで降りることもある
・WBが幅を取りマリノスSBを釣る
 →開いたマリノスSB-CB間をCF,IHが裏抜け
 そこへ後方からフィード
・片方のCFがライン間に降りてボールを受ける

この時のマリノスの守備(どこを取り所とするか)は個人的に今節最大の注目ポイントです。

画像15

湘南最後方3枚にマリノス3トップがプレス、中盤はしっかりと人を捕まえ外回り誘導、前線で幅を取っている湘南WBが降りてボールを受けたところにマリノスSBが前を向かせない守備でボールを奪取
(湘南ACがサイドに関わって湘南WBからのパスを受け前線に展開を狙ってくるので、湘南ACを見る選手はしっかり寄せる。マリノスDF陣は湘南ACからの縦パスの準備をしておくことが大事)

このようにサイドを取り所にするのか

画像16

湘南WBが元々低い位置を取っていれば、マリノスWGが背中で湘南WBを消しながら湘南HVへプレス→中央誘導、中央ではしっかりと人を捕まえて(湘南CFが降りてきてボールを受けにくるがマリノスCBはしっかり付いていく)中央を取り所とするか

どちらをとっても湘南はハイプレスに弱いですし湘南DFラインはかなり低く前線に多くの人を掛けるので、湘南のAC脇には広大なスペースがあり、マリノスは湘南陣内でボールを奪えると決定機まで持っていけると思います。
これは湘南のウィークです。

もし湘南CFにロングボールを蹴ってきても、湘南CFは空中戦勝率は高くないですし、空中戦勝率の高いマリノスCB陣が跳ね返してくれるでしょう。

画像17

画像18

・自陣での守備 (湘南の敵陣での攻撃)

画像19

上の画像のように、湘南のストロングはクロスです。

湘南がどのようにクロスまで持っていくのかを紹介します。

画像20

敵陣での守備のフェーズで述べたように湘南は3-1-6の形を取ります。
そのためマリノス最後方4枚 vs 湘南最前線6枚の数的不利となります。
湘南はそれを利用し湘南最後方から湘南WBへフィード、サイドで湘南WB,IH vs マリノスSBの状況を作ります。

湘南WBがボールを持つと、湘南IHはインナーラップをしボールを受けます。
そこからクロスを上げるという一連の流れです。

マリノスはここでの数的不利をどうするのか、マリノスSBは湘南のどの選手を第一に見るのかは注目です。

画像21

マリノスDFライン裏に抜ける湘南の選手(WBが外→中央に斜めに抜けることもある)に対して、後方からフィード。
これによりマリノスDFラインが一気に押し下げられます(マリノスDF-MF間広がる)。
この時マリノスDF裏に抜ける湘南の選手以外はライン間に留まりセカンドボールを回収します。
湘南がセカンドボールを回収したところからサイドへの展開→クロス or No.17大橋のドリブルでゴールへと迫ります。

マリノスはライン間をどれだけコンパクトに出来るか、セカンドボールを拾うのは誰かが大事なポイントになってきます。

ここでも全体が間延びしないように声を掛け合うことが重要です。

守備の統率が取れていないと湘南に好き勝手やられてしまいます。
今節のマリノスがどのくらい守備面で統率が取れているかは楽しみです。

セットプレー

・湘南のCK攻撃

画像22

・湘南FK攻撃

画像23

・湘南CK守備

画像24

・湘南FK守備

画像25

以上が湘南ベルマーレ戦のプレビューとなります。
最後までお読みいただきありがとうございました!!


データ引用元

・Football LAB

・J STATs (空中戦勝率)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?