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子宮頸がん検診精密検査(組織生検)が痛くなかった人間のレポ

年始に受診した年一回の健康診断で、「要精密検査」という結果が出ました。内容は、「子宮細胞診にて細胞異型(ClassⅢa)を認めます」というもの。
年始の厄払い後早々に厄年の波動を感じつつ、精密検査に対応している近所の婦人科を即予約。説明を聞きに行きました。

この結果が出てから精密検査当日までの間に調べて怯えていたのは、
どうやら子宮頸がんの精密検査「コルポスコープ・子宮頚部組織生検」いわゆる「子宮頸がん組織診」は痛いらしい、ということ。
(ClassⅢaについては、多くの方が自然治癒する可能性が高く、異常があった場合も定期的な検診ですぐに発見できるという説明を受けたためあまり心配していませんでした)

「子宮頸がん 組織診 痛み」といった文言で検索すると、「痛くて脂汗をかいた」「叫んでしまった」といった恐怖レポが続々と。相当肝が小さい私はちょっと泣きました。比喩ではなく本当に。
そして、調べるほど蓄積される不安の中で、同じような不安を抱えている人のために、検査が終わったらレポを書こうと決めていました。これはそのレポです。

結論から言うと、私はほとんど痛みを感じませんでした。
よく考えれば、痛かった人は印象に残るから「痛かった」と言うけれど、痛くない人にとっては忘れていくことだから「痛くなかった」という証言は残りづらいんですよね。
というわけで、「痛くなかった」という証言と、超絶怖がりの私が痛みを回避するためにしたあらゆることを以下に残します。
子宮頸がん組織診の痛みに怯えている受診予定の方、怖くて受診をためらっている方の参考になりますように。

※医療行為の説明記事ではありません。誤った情報を記載する可能性を回避するため、病気や精密検査の方法等については割愛しています。知りたい方は医療機関出典の情報に当たってください。
※わりとふさげています(ふざけているつもりはなく大マジなのですが……) 深刻に怖いんだからこんなときにふざけるな!という気分の方の閲覧は自己責任でお願いします。


1.痛みを回避する方法


先述の通り「子宮頸がん 組織診 痛み」で検索してひとしきり怯えた後、私がしたことは検索ワードを変えることでした。なんといってもすぐに予約してしまったため、検査当日まで一週間しかない。今更やっぱりやめると病院に電話をするのも、自分の健康への懸念や大人としての最低限のプライドからできません。
もうやると決まった以上、いかに当日を乗り切るかに考えを切り替える方が建設的です。

「痛み 感じなくする」で検索した私は、「人によって感じる痛みが違うこと」「年配の方より若い人の方が感じやすいこと」「男性と女性だと女性の方が感じやすいが、耐えられるのも女性である」といった情報を見つけました。他にも、「兵士と市民だと市民の方が痛みに敏感である」等も(※すべて真偽は不明です)

ただ以上の情報は、若者・女性・一般市民である自分は痛みに弱いだろうことの証左でしかなく、何の励ましにもなりません。しかしさらなる検索を続けたところ、これだ……!と思う一文に出会います。
それが「痛みに向き合わない」こと。

書かれていたのは慢性的な足腰の痛み等を抱えている人向けの記事でしたが、確かにこれは実感としてわかります。怪我をしていると気づいた途端に痛んだりしますもんね。
向き合わないためには、「別のことを考える」「別の五感を刺激する」といった方法が考えられそうです。

ところで最近、漫画『ファブル』にハマっています。映画も観ました。
このファブルの主人公・佐藤明が最強の殺し屋なのでめちゃくちゃ強い。映画版では敵の攻撃により負傷していましたが、まったく動きを鈍らせることなくミッションを達成していました。物凄くカッコイイのです。
多分、佐藤明も自らの傷に集中したりせず、外界に開いた五感を常にをフル回転させているため、自らの痛みをあまり気に留めることなく動き続けられるのでしょう。

これです。
一週間で、佐藤になろうと決めました。
アマプラで映画の二作目をレンタルし、自分が佐藤だったら、佐藤ならどのように五感を切り替えているのか、佐藤のように怖れないマインドはどこからくるのか、などを考えていきます。
勿論、市民から兵士になるように、最強の殺し屋・佐藤の状態を獲得することが理想ですが、佐藤の面白いところや可愛いところなどで頭をいっぱいにすることも検査で気を逸らすために有効なのではないかと考えたわけです。


2.検査当日にしたこと


そうして一週間が経ちました。方針や作戦を決めてからは、不思議と怖さが軽減したように思います。恐怖とは未知からくるものなので、戦い方や対処の仕方がわかっていれば怖くない、ということでしょう。

こうして心の中に佐藤を召喚するいいマインドセットができた私。当日気を付けたのは以下の2点です。

・ぼんやりした状態で検査を受ける
・力が入らないようにリラックスする

ぼんやりした状態で検査を受けるとはどういうことか。
前段で佐藤を例に「五感を開く」といったことを書きましたが、五感を過度に敏感にしてしまっては、恐らく痛みを感じやすくなるでしょう。お酒を飲んでいる時に五感が鈍るように、頭がぼんやりしている状態なら痛みを感じにくくなるのではないか。
そう考えた私は、朝10:30からの検査に対し9時起床を実行しました。起きてから3時間程経つと頭もだいぶ活性化してしまいます。寝起きのぼんやりした頭で受けた方が、精神的にも肉体的にも負担を感じることなく受診できるのではと考えたのでした。

続いて、リラックスをする。
これは採血や予防接種などでも言われることです。やはり処置される部位に力を込めていると痛みも増す気がする。気を逸らすことと同義ですが、なるべく検査のことを忘れて楽しい心持ちになれるように待合室で過ごすのは効果的でしょう。
漫画アプリ「マガポケ」でファブル2ndシーズンの第1話が無料公開されていると知り、満を持して読みました……か、可愛い……みんな可愛すぎる……
癒され、にやけているうちに呼び出されました。


そんなこんなで子宮頸がん精密検査の始まりです。検査中は、「深く息を吐く」「聴覚に集中しあらゆる音を拾うようにする」「視覚に集中し天井の模様や空調の形状を記憶するように観察する」「首の後ろ辺りを抓って痛みを分散させる」といったことを意識しました。
事前に見ていたレポなどでは「パチンッと組織を切り取られる」というそれは恐ろしい表現が散見されましたが、私の場合は「発泡スチロールの隅っこをショリ……と取る」くらいの感覚でした。確かに痛みらしきものの気配は感じましたが、膜を何枚も隔てた先の遠い感触といったところで、意識しなければ忘れてしまう程度。
何箇所取るかは人によるそうですが、私は2箇所だけだったというのも幸いしたのかもしれません。

その後、ガーゼを詰められて病院のソファで30分止血待機。
有栖川有栖先生の新刊『捜査線上の夕映え』を読みながら待ちました。火村もアリスも相変わらず可愛い。


幸いその後の出血もあまりなく、特に運動制限もなかったためすぐに日常に戻れました。


3.婦人科の先生に関する所感


以上が、痛くなかった人間のレポです。
色々と作戦を述べましたが、よくよく考えなくても婦人科の先生のお陰だと思います。(佐藤明は関係ない……)

とにかく早く受診することを優先し近所で予約したのですが、そこは男性の先生でした。口コミなどを見ても「無愛想」といった内容が見られて、失敗したかなあと思っていたのですが、実際は自分には合っていました。
確かに淡々と解説するタイプでドライにも見える先生でしたが、たとえば検査中私が怯えて呼吸が荒くなると「ゆっくりの方が力抜けていいですよ」と声を掛けてくださったり、こまめに痛みや不安の状態を聞いてくれました。
ClassⅢaという状態についても「大体9人は自然治癒しますが、1人は悪い方に進行してしまいます」とやはり淡々と説明するので、「怖いんだからもっと気を使って!」と思う方もいそうでしたが、「ただこの病気は、定期的に検査していけば見つけられるものです」という説明もしてくれたので、ウェッティにしないことで却って負担を掛けないようにしてくれるタイプなのかなぁと。

婦人科ってとてもセンシティブですし、受診するだけで負担があります。
同性の先生だったらいいかというとそうとも言えず、同性だからこそ嫌な思いをすることもありました。
先生の性別、予約の取れやすさ、通いやすさ、先生の患者への寄り添い方など、何を優先すべきかは人によって様々でしょう。
ただ今回の検査に関しては、先生の腕も勿論ですが、声掛けなどが自分に合っていたことで、不安を解消しながら受診できたと感じています。
先生、本当にありがとう。

えらい大袈裟に書いてしまいましたが(実際大袈裟に怯えて大騒ぎをしていた小心者)、こんなふうに、子宮頸がん組織診が痛くなかった人間もいます!!!!
人の痛みの感じ方はそれぞれなので、みんなも大丈夫!とは言えませんが、受診が必要な方のためらいや不安を軽減し、健康に生活する一助となりますように。
健康診断も検査も大事……行こうね……!


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