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商業bl感想『ハッピー・オブ・ジ・エンド(3)』

ハッピー・オブ・ジ・エンド おげれつたなか
(2023.11.2記)

読み終わったら感想爆書きする予定だったのに言葉が溢れすぎて上手くまとまらない、どうしよう…何から話せば良いのか、まぁ順を追って話します。
毎度のことながらネタバレオンパレードなので未読の方はお気をつけ下さい。
読む前の話からするんですけど(え?)、これを受け取ってすごく嬉しい早く読みたい!っていう気持ちと同時にやっぱり読みたくないな…って気持ちもあって。
私のいっちばん大好きな作品だからこそ、とても楽しみにしていたわけではあるけれど、やっぱり読んだら終わっちゃうじゃないですか!!!それが悲しくて!!!
なんとあのハピオブ大好き人間の私が、買ったその日に読まずに次の日に読みました、そのくらい相反する自分の気持ちと葛藤してました。
表紙の浩然可愛いな、、背景なんだろう江ノ島かな?なんて思いつつ、もうこんな風に笑えるんだなと涙が滲みました。
ハピオブといえば1,2巻で浩然や千紘の無邪気な笑顔が一コマ見られるだけで、うわぁぁぁずぎゅぅぅんお前そんな顔で笑えるんかーーーッッとなっていたのですが、今でも2人の笑顔を見るたびに胸がキュッとなります。
これまでマツキさんに言われていた浩然の人間味の無さ、心が死んでいるとも取れるような柔らかな表情の欠如。全てがどうでもいい、自分なんかいつでも死ねる、死ねば解放されると思っていたあの頃から、千紘に出会い、愛を知って表情が灯っていく感じ……
今巻でも表情が無くなっている部分はあったけれど、それは今までのようなものではなく、愛を知ったからこその悲しみや焦燥という人間らしい感情だったような気もします。
えっと、ここまでが導入です。本編述べていきます。
2巻でマヤに誘拐された千紘でしたが、小森ちゃんをちゃんと守るところが男らしくて惚れました普通に。
おげれつ先生があとがきで仰ってましたが、マヤのことは私も本当に最後まで分からなくて、良い意味で共感性の無い、行動原理の分からない人で、本当に先生の思い描くようなキャラクターになってるなぁと思いました。
なんかもう全てのシーンで言えるんですけど、あの浩然が、あの浩然が1人の人間に愛情を抱いて、焦り外を走り回っている光景に私は感動しました。
千紘を想っているからこそ、千紘を傷つけたくないし巻き込みたくない、自分のせいで周りが不幸になっていくんじゃないかという思いが強くなっていくところは苦しかった、、
それを第三者(マヤ)にも言われるっていうのがね…
幻覚まで聞こえてくるということはきっと自分でも強くそう思っていただろうし、そんな苦しい時期に「お前と一緒にいたから」なんて言われてしまえばあの決断にもなりますよね。
違うよ浩然〜〜!!お前のせいじゃないーー!!!と叫びまくりましたが私の声は届きませんでした。
浩然がマヤを刺すところ、想像してなかった展開すぎて呆然としましたし、まさかこの流れで江ノ島…!?と思ったのでそれも驚きました。
自分の手が真っ黒に見える浩然には胸が締めつけられました、おげれつ先生表現上手くて余計辛いよ、、
イルカショーと海のシーンは幸せな2人を見れて嬉しいと思ったのと同時に、これから先浩然のやろうとしていることが想像出来たのもあって、辛くて辛くて涙べしょべしょでした。
その後の浩然の「お前はなんだってなれるよ」から始まる心の中でまた号泣しました。辛いよ。
浩然くん自己肯定感低いよ、、俺がいるから千紘は自由になれないんじゃないよ、お前がいなきゃ千紘はそもそも生きていけないんだよーーー!!!
電車のシーン、帯にも書いてあるセリフではあるけれど、「俺のこといっぱい思い出して、それで___もう忘れろ」はもう本当になんて言ったらいいの?ねえ、本当に、なんでそんな悲しい顔で笑うの、涙を堪えて必死に笑顔作って、でも幸せそうで、だけど辛そうでもある、本当は千紘から離れたくないんだろうな、でも自分といるとなりたいものになれない千紘を案じてなんだろうな、っていうこの、、辛い〜〜〜!!!😭😭😭
上手く言語化できなくてすみません。
浩然がいなくなってからの千紘の生活も見るに堪えないもので苦しかったです。
料理が得意なのにずっとコンビニ弁当だったり、当然浩然のことが忘れられていなくて。
だけどそんな最中にもパンジーは芽吹いてて。
加治から貰ったカメラによって浩然への想いが溢れ出して子供みたいに泣く千紘のシーンはただただ涙を流して読んでました。でもこれがあったからこそ千紘は涙を決意に変えることが出来たと思うし、やっぱり加治好きだなぁと思いました。本当にいい奴。
そして千紘がきちんと立派にカメラを仕事にしてて、夢に向かって頑張ってる姿見れて感無量です、、。
一個だけ煩悩挟ませて下さい。
ムショ上がりの浩然の髪型もといビジュ最高〜〜!!!
アンニュイな感じが本当にたまらん好きすぎる。
そしてやっとフルネーム明かされましたね、漢字はわからないけどコウハオレン。高?江?広?なんだろうね?
でもとても素敵な名前でこんだけで涙出るよ私は。
千紘の写真の展示の1番最後、想像は出来たけど実際本当にそれが来てまじで涙腺がもう一つ壊れました。
来るだろうなとは思ってた、本当にきた、泣いた。
それに対する浩然の反応でさらに一つ涙腺が壊れました。
そして最後のシーン。
逆光で浩然の顔はよく見えないけれど、光る汗から懸命に走って千紘を探してたのかななんて思いました。
最後の千紘の表情は本当に忘れられない。
一言ではもちろん表現できないけど、嬉しくて切なくて幸せで信じられなくてみたいな、いやでもなんかそれも違う気がする〜〜!難しい!!やっぱりおげれつ先生ってすごいですよね。
描き下ろしもめちゃくちゃ良かったです、ここまで読んでちゃんと完結だなって感じがしました。
行きたいところなんてないと言っていたあの頃からは考えられない、あの浩然の無邪気な笑顔はずるいよ、、
「一瞬一瞬過ぎていくので恐ろしいくらい、これ以上何を願えって言うんだ」
これは2巻の浩然の心の中ですが、自分には無縁と思っていた"普通の生活"はこれ以上ないくらい幸せな生活で。ずっとこのままでいたいと思っていた浩然が、他にも何かを願えるようになっていったんだって成長のようなものを感じてしみじみとしていました。
これは2人ともに言えることだけど、本当に変わったなと思いました。お互いがいなくては生きてはいけないんだって。これは2巻の帯でしたね。
最終巻ということもあり伏線回収や過去の補完がとても多くて綺麗にまとめられてたところも本当に良かったと思います。
例えば初詣で浩然が何を願ったのか、パンジーの芽、マヤの蛙の話、行きたいところの話など。
まだまだ2人の物語を読みたい!という思いももちろんありますが、これで綺麗に終わったんだなとも思います。
ハッピー・オブ・ジ・エンドというタイトル、直訳すると終わりの幸せという意味。
んーでも何かしっくりこないから幸せの終わり?ちょっと不吉すぎる?なんてずっと考えてたんですが、今巻でとあるセリフがあって、それが
「普通の人って幸せが過ぎ去った後気づくらしい 
『あの時が幸せだったんだ』って終わってからやっと気づく でも俺は 終わる前に気づいて良かったと思う」
っていう浩然のセリフなんですけど、ここもしかして繋がってくるのでは、?と思いました。
これ以上の考察はできません馬鹿なので。
最後に幸せな2人の笑顔が見れることがこの作品にとって1番良いハッピーエンドだと思うので、読者に浩然の表情は見えなかったけれど、千紘にはその表情は見えていたはず。それで良かったんです。
2人が幸せならもうそれで思い残すことはないです。
ずっとずっと2人で幸せでいて欲しいです。
おげれつたなか先生、素敵なお話をありがとうございました。本当に本当に忘れられない作品で、後にも先にも間違いなく私の1番好きな作品です。
いつかまた2人の姿が見られますように。

https://x.com/konanenohonne/status/1721064815878406381?s=46から引用

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