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商業bl感想『ネオンサイン・アンバー』

ネオンサイン・アンバー おげれつたなか
(2023.4.6記)

めちゃくちゃ良かった…忖度無しに本当に良かったです。私の中でおげれつ先生2作品目で、正直まだ本当におげれつ先生の作品が私に合っていたのか、ただ単に1作品目のハピオブが良かっただけなのか分かりかねてました。だけど確信した、私はおげれつ先生の作品だから好きなんだ、その中でハピオブが1番だったんだなって思った。それでやっとこのネオンサインアンバーの話をさせてもらうんだけど、やっぱり何といっても心情の変化が細やかに表現されててとても感情が読み取りやすくてこっちまで伝わってきた…。キャラクターの心情の表現って、例えばセリフや心の中もそうなんだけど、おげれつ先生の場合はキャラクターの表情が絶妙だった。特にこのネオンサインアンバーは、表情の変わりにくいゆうすけがサヤにだけはその表情の変化を理解されたし、きっとサヤの前でだけはたくさん笑って泣いて色んな表情が出来たんだろうなと思った。とても素敵な設定だなと思ったけど、だからこそ中盤でサヤを突き放してしまうところがグッと来たな、、元々そういう拒絶が一度あるっていうのは知ってて読んだ漫画だったんだけど、いざそのシーンを読むと胸が締め付けられそうに苦しかったな。この作品、私割と年齢差も感じて、初めてサヤにキスしたのもゆうすけだったし、積極的にサヤにアピールしてたのはゆうすけだったし、まぁもちろん物語がゆうすけ時点で進んでいくからしょうがないし、サヤには自分の恋愛対象に関するトラウマがあったから…とはなるんだけど、それでもやっぱりゆうすけ狡いな〜とは思った。大人の余裕というか、リード感が絶妙で、でも一度拒絶したゆうすけに怒るでもなく俺が気持ち悪いだけだって一線引いたサヤが本当に切なくて、自分のことを卑下している感じがして苦しかったな。私的にはそういうサヤの考え方が1番心にきたから、ゆうすけが人に恋するサヤの気持ちは普通だよって言ってくれてとてもサヤは救われたと思うし、いや多分なんといっても私が救われました。そしてちょっと話戻っちゃうんだけど、おげれつ先生の描くキャラたちの表情変化の凄さについても述べておきたくて。私苦しそうな顔がとても上手いなって思うんですよね。こんな駄文なんかでその表情の良さを表現できるわけもないんですけど、"気持ちいいんだけど苦しい"だとか、"辛くて苦しい"だとか"嬉しいのにどこか苦しい"だとか、普通苦しいって気持ちは一種類で表現出来るだけでもすごいと思うのに、人間の感情ってやっぱり単純じゃなくて色んな感情が混じって一つじゃないと思うんですよ。それを見事に全部伝わってくるような描き方をされててまじですげえなと思います…。この作品、トラウマが大きく関わる話だと思うんです。例えばゆうすけは表情が変わらないことで彼女に振られたり家族にも理解されなかったりと心労を抱えるトラウマ。サヤは既に述べた通り自分の恋愛対象が同性だと知って学生時代に好きだった先輩からキモいと言われてしまったことから生まれたトラウマ。このトラウマをお互いでカバーするというか、支え合って、自分たち2人なら大丈夫だと最後綺麗に収まるのが漫画としてとても綺麗で読みやすくて、読後の安心感がすごい!!!本当に満足感のある作品でした。あと一つ思ったことがあるとすれば、深夜帯に読んだので人目を気にせずぼろぼろ泣いたのと、途中何度も出てきたサヤの手料理が本当に美味しそうでお腹すいたということでした。これからもおげれつ先生作品たくさん読んでいこうと思います、ここまで読んでくださってありがとうございました。お疲れ様でした。

https://x.com/konanenohonne/status/1643802235170881536?s=46から引用


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