卒業制作 覚書②

 この記事から3ヶ月が経ちました。
 進展はあったとも言えるしなかったとも言える。

 就活の最中に色々思うところがあって、最終的に「出版社には行けなかったけど小説との関わりは絶やさずいたいなあ」と考えました。それは読者としてもそうだし、できれば書き手としても居続けたいな、と。
 そこで一念発起して、長篇のミステリを書いて賞に出すことにしました。2,3回ミステリーズ!新人賞には出したのですが箸にも棒にもかからず。私は短篇ばかり書いていて、ただ、それはけして短篇が得意だからそうしているのではありません。長篇が書けないのです、継続力のなさ故。数学ができないから文系に来た人状態になってます。

 とはいえ、やはりいきなり一本の長い話を書くのは辛いものがあります。甘やかしすぎるのは良くないけれど、かといって厳しすぎる目標を立てても挫折するのが目に見えています。そこで、以前書いた短編を第一話として連作短篇に仕立てようと思いました。単体でも読めますが、元々続編ありきで作ったものなので、やりやすくもあります。

 長篇を書くには何が必要だろう、と考えた結果、答えはプロットでした。ノリと勢いで書いてから整える、というやり方を短篇では使っていました。ただ、さすがにそれは通用しないだろう、と。なので、現在はこつこつプロットを作っています。ゼミの先生が、一文字も書けなくても机に向かうべきだと言っていて、それを実践しています。なので、たまに一切何も思いつかないときもありますが、概ね進捗は良好です。

 書いてる作品の特徴を一言で言うなら、呪術の存在する世界での特殊設定ミステリ、です。最初は鮎川哲也賞に出そうとしていたんですが、角川ホラーミステリ大賞の方が毛色が近そうなので、そちらにしようかなと。

 私はミステリは好きなんですけど、実はトリックにあまり関心がありません。密室があったとして、それを作る手段の唯一解は論理的に得られないと思うからです。なのでトリックが犯人特定のロジックの一部だと厳密性に欠けると感じてしまうし、ロジックから独立しているならあまり重要性を感じられません。なんというか、物凄く面倒くさいミステリ読みみたいなこと言ってますね。

 呪術を物語に登場させたのは、そういう価値観の表出かな、と思います。つまり世界観をいじくって、トリックに相当するものを前提として存在させてしまおう、という。

 角川ホラーミステリ大賞の締め切りが確か9月末なので、夏休みは執筆に全振りしようと思います。そう、卒業制作が進むわけないんですね。前回の記事のときから一文字も増えておりません。

 卒業してから、こいつこんなことしてたのかよ、ってこの記事を読んで笑えたら良いですね、切実に。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?