マガジンのカバー画像

文化人類学

4
文化人類学にまつわるエトセトラです。
運営しているクリエイター

#コラム

生きている時間

大人になればなるほど誰かの訃報に触れる機会は増える。直接会ったことのある人でも、メディア越しにしか知らない人でも。 生きている時間が少しでも重なっていたことを思うと、お会いできていれば、と悔しく感じる時もある。 文化人類学を学んでいた私にとっては、梅棹忠夫氏がそうだ。2010年に他界したこの方と生きている時間が重なっていたことを知ったのは、文化人類学と深く関わるようになってからのことだった。けれど、折に触れて梅棹氏の著書を読み返すたび、著書を通して彼の思いを受け取っている

飛び立とう、国内外の「異国」へ

■映画「君の名は。」映画「君の名は。」を観たことのある人は少なくないだろう。直接観たことはなくとも、タイトルくらいは知っているのではないだろうか。「トウキョウ」で暮らす男子高校生と、「ド田舎」で暮らす女子高校生の、夢を通じた入れ替わりの物語。 エンディングがどうなるかは観てのお楽しみといったところだが、わたしの夢は、「海外留学」だけではなく、「君の名は。」のようないわば「国内留学」を通じて、より多くの人に実写版「君の名は。」の主人公になってもらうこと。そして、「ここ」以外の