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低空飛行は実はカッコイイ


昼夜逆転したおばあちゃんが夜な夜なお隣さんに話しかけ?ているのかは定かではないが、夜中にボソボソと声がして居室を覗くと、おばあちゃんが誰かと会話している。「見えないものが見えている」と他の職員から聞いていたが、お隣さんとの仕切りにしているカーテンに向かって話しかけていた。
そのカーテンの向こうからはチグハグな相打ちをするおばあちゃんがいて、その会話に入ろうとしたのかしないのか、よく夜中にベット上でぐるぐる回っているおばあちゃんが「なんの話?」と言い出して気になって仕方ない様子。

昨夜の夜勤はこんな感じでとても賑やかで、対応に追われて落ち着いたのが朝の4時。
最近私の夜勤の時はとってもとっても静かで落ち着いていたものだから、ちょっと油断をしてしまった……とは言え利用者さんには何事もなく、みなさん朝ごはんを平らげていたのでした。

今夜夜勤が明けると
私は昼の街へ繰り出すのだ…

というか先日3連休をもらって京都大阪(大阪珍道中はまた後日)へ行ったこともあり、4月後半は連休がない。休み自体が少ない!
なので予定は夜勤明けでも入れなくちゃならなくなる。
夜勤明けに入れる用事ってなに?

「孫②の夏服がないき、買うて」

と言ってきたのは私の娘③。
おばあちゃんは孫のことには断らないということをよく知っている…。そんなわけで夜勤明けの日しか空いてなかったため、娘と待ち合わせに。

待ち合わせといっても京都や大阪のように都会ではない場所なので、移動は車になるのだけど、流石に夜勤明けでそのまま行くのは不安。ちょっと車を走らせたらやっぱり眠くなってきたので、ちょいとコンビニに寄ってうたた寝をする。こんな生活を長くしていると、スーパーだろうがコンビニだろうが車が停められる所ならどこでも寝る!なんなら枕も毛布も積んでます!
ちょろちょろ仮眠したって眠いものは眠い、たま〜にセンター寄りに走って慌ててハンドルを切るということは今日はなかったけどね。

そうこうしてたどり着いた西松屋。子供服がめちゃくちゃ安くてかわいいところ。今の子どもはいいなぁ、こんな可愛い服が安く買えて。私が子育てしていた頃はどもの服でも大人並みに高くて一枚買うのも考えて考え抜いて買っていたのに。

約束の時間よりだいぶ早く着いたので、ここでもまたシートを倒して眠りの態勢に入る。
でも眠れない、だって今日は暑いから。
車で走行中もなかなか暑かったので窓を開けて走っていたのだけれど、さすがに高速道路は窓開けたら怖いので、エアコンをつけて…壊れてる⁉︎ きっとガスがないのだろう、えっ?でも確か去年の夏もそうだったような気がしないでもない。車も持ち主に似て古くなってきたからなぁ…だって税金割り増しだから。

ウトウトとしていたら飛行機の大きな音が聞こえてきた。そういえば昨日から自衛隊のヘリコプターや飛行機がよく飛んでいる。何かあったのか?地震?いやそんなはずはない、そんなニュース見てないし聞いてない。
テレビとラジオも速報流してないし号外も売ってない。

目を開けて倒したシートからフロントガラスを見ると、
青いマークがはっきり見えた飛行機が目の前に!!
慌ててiPhoneのカメラを起動させ窓の外に体を乗り出し飛行機を追いかける。でもやっぱり飛行機は早い。あっという間に消えそうだったから連写連写連写連写連写連写!

ここは空港が近くてこの西松屋の上が旋回する場所になっているらしい。旋回して着陸に向けて低空飛行になったところなのである。
娘③と孫たちが住むこの場所は海にも近くてとても長閑な所でもある。娘宅のすぐ近くには第3セクターで入っている路線があるし、飛行機が飛び上がるところが見える私としては大好きな場所なのだが、海の近くというのはどうしても津波のことを気にしてしまう。とくに孫たちが通う保育園は本当に海から近いし空港にも近い(そこは羨ましいのだが)。最近は近い将来必ず来ると言われている南海トラフ地震が来ようものならこの小さな子どもたちはどこへどうやって逃げる?誰が抱っこしてくれる?先生方だけでは足りないんじゃない?津波タワーって本当に大丈夫なの!なんて悪い方へのイメージがどんどん膨らんでしまうので、ここまでにしておこう。

なぜ飛行機を見るとワクワクするのかな?
まぁそこも深掘りしなくてもいいこと。とにかく好きなものは好きなんだ。それだけでいいじゃない。

低空飛行の飛行機が見れただけで、嬉しいなんて保育園時みたいだけど、本当に好きなのよ。滅多に見れないけれど。長い間人生の低空飛行を続けていたからね。今だって決して高く飛んでるわけではないけれど、低い位置ならたくさんのことに気づくことができるからね。ほら、あっちでもこっちでも下を向いて歩いている人がいる。隠れて泣いている子がいる。上ばかり見ていたら気づいてあげられないじゃない。だから私の人生はこれでOKなのである。

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