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水晶

Kendrick Lamar / Die Hard

昨年発表されたKendrick Lamarの
最新アルバムからの一曲
このDie Hardという曲が
どうしても好きで
ひたすらリピートした

繰り返し聞いていると何故か
説明することができない
漠然とした寂しさに
襲われることが増えた

非常なほどに透き通る水晶に囲まれた部屋で
安らかに眠る赤子と母親
その姿は幾千年も変わらないまま
そこにあり続けていて
もう動けないのか
動きを自ら止めたのか
もはや誰にもわからないまま
滴り降りてくる
鈴の音を数え続ける
塔の中から飛び立つ
伝書鳩すらもうどこからも出てこない

閉じ込められたような
それでいて
大草原に1人放り出されたような
嫌な寂しさ
この不安に襲われるのが嫌で
この一曲もアルバムを聴くことも
封印した

封印してからどれくらい経た頃か
不安を織り込んだ寂しさの正体が解けた
その手がかりはこの記事にある
記事を読むまで知らずにいたのだが
あの新作の裏にはエックハルト・トールが居るらしい
なるほど
あの罪深い寂しさが生まれるわけだ

実は昔エックハルト・トールの本を読んだことがある
内容は全く覚えていない
とても読み難くて
めっちゃ時間をかけて読み終えた割に
何も覚えていないことに
この記事で気づいた

そんな本になんの答えが眠ろうか
人生において大事なことを書いていそうな
表情をしている本だが
こんな小娘1人に何の爪痕も残さず
BOOKOFFされた
彼の本は何の救いも落としてこない
SnoopDogの料理本の方が
まだ参考になるものがある

そうか、Kendrickは彼の言説を
支持しているのか
これで全ての合点がいく

ライブに来ていた小さな子にKendrickは
親に感謝する様に諭したそうだ
本当にそれは必要か?
仮に子に連れられなければ
Kendrickのライブにこない様な親であった場合
その親に新しい世界を教えた子に
親が感謝すべきではないのか

彼が何に縋ろうとしているのかは知らない
けれどKendrickへ一旦怒りをぶつけたところで
私はまたただの参考作品として
この曲を聴ける様に戻った
でもこの作品には
金輪際、深入りすることはしないだろう

興味本位だけで覗くことができる深穴ではない
瑠璃色がどこまでも染み込む
底の見えない大きな大きな穴
一度捕まれば戻っては来れまい

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