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【AdvCal2023】GM向け:SW2.5で良い感じのロールプレイをしたい!

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この記事は、創作キャラクター交流ゲーム Advent Calendar 2023
の12/分になります。

以下は、本記事を読む際に用意する必要はありせん。
ただし、SW2.5で遊ぶ際に『Ⅰ』は必須になります。

以上三冊は、以降「基本ルルブ」と称します。
特定のページを示す際は、(『Ⅰ』350)(『Ⅱ』36) 
といったように、ルールブックの番号とページ数を記載します。

また、本記事はTRPG「ソード・ワールド2.5」で遊びたい、特にGMをやってみたい方向けに執筆していますので、ご注意ください。



画像は自作です



前回、私はこんな記事を書きました。

GMの仕事としては、魔物を含む様々なデータの用意が6割以上を占めていると私は考えています。
ワンチャン8割までいくかもね。

そういった、GMをする上での最大の障害について軽く触れていたのが前回の記事になるわけです。
では、今回は何をするのかといいますと、
「キャラクターたちのロールプレイをよりよいものにしたい!」
というテーマを主題に掲げて、様々なことをお話しします。

今回のロールプレイング関係の話を加えることで、GMの基本についてある程度のことを伝えられるかな、と。
データ関連の話、前回の10倍は語れるんですけどね。
その続きはまたいずれ。

今回も、GM目線で話を進めていきます。
対戦、よろしくお願いします。


0章.やっぱり既存シナリオが最強

まず、SW2.5各種ルールブックや、グループSNEさんの定期刊行誌「GMウォーロック」に記載されているシナリオたちを回すか、読んでみてください。

……前回も同じこと言ってたな。

結局、公式シナリオを参考にしないと何も始まらないので、見ます。
まずは前回のおさらいをしましょう。

大前提として、
「シナリオの概要」「セッションの準備」「シナリオの舞台」
は必須!

シナリオ本編の構成は、
「イントロダクション」「シナリオの流れ」「各章の説明」
の三段階!

これがないシナリオはあまり見かけません。
皆さんちゃんと公式のフォーマットに従って書いています。

これをさらっと話した上で、魔物データに着目していたと思います。

今回はシナリオの中身に触れていきましょう。
……と思ったんですが、あんまり話しすぎると良くないんですよね。
内容は、各自で確認をお願いします。
この記事で話した内容と照らし合わせて、如何に公式シナリオが素晴らしいかを学んでください。

1章.シナリオの流れ

これに関してはもうシナリオ作成に関する話なんだよな。
でもロールプレイにシナリオの流れって大事なんですよ。
画面の前で頷いている方、多いんじゃないでしょうか。
ゼロからシナリオを作る時も、既製のシナリオを使う時も、注意することはあまり変わりません。

◆PLの行動

GMをやったことがある人は分かると思うのですが。
PLは、GMの想定よりもずっと賢いし、もっとおばかさんです。
想定通りに動くことなんてまずないです。

ストーリーの枠に収めようとしないでください。
ストーリーの枠からはみ出す前提で、設定の方を詰めましょう。

そのために必要な点を、幾つか列挙します。

登場人物、組織のリストアップ
舞台背景の分析

結論、データをすべて確認した方が良いという話

これらは、行動原理や立場まで詳しく書き起こしましょう。
既存のシナリオを利用する際は、シナリオを読み解き、要素を分解するのが大切です。

◆PLが主役になること

ストーリーには起承転結があって~、プロットはこうなって~
といった話は、別に必須じゃないんです。

セッションにおいて重要となるのは、
「どれだけPLが喋っているか」
になります。

……吟遊GM、というTRPG界隈で使われる造語があります。

  • 自分が用意した物語を一方的に押し付ける。

  • 物語が一本道で、PCの介在する要素が少ない。

などの要素を含むGMに対して、そのような言い回しをするようです。
私はこの表現をあまり好んでいませんが、言っていることは概ね正しい。
私もかつて似たような失敗を犯していますから、理解できます。
この問題は、どうしたら回避できるのでしょうか。
大切なのは、以下の2点。

・シナリオの舞台背景を分析する
・PLにやらせたいことを、明確にひとつ決める

ロールプレイのしやすさは、舞台背景を理解できているかにも関係。
しっかり整理して、PLに伝えましょうね。

まず、シナリオの舞台背景を分析することは大事でしょう。
先ほど、登場人物や場所などのリストアップが大切である、といいました。
これにより、PLの行動が想定から外れても対応できるようになります。
すると、シナリオが一本道になりにくい状況が作り出せるわけです。

そうして、シナリオの解像度が上がった後。
考えるべきなのは、「PLになにをさせたいのか」という点。

戦闘?探索?謎解き?一体何をさせたいんでしょう。
舞台背景を理解した今、その本筋を改めて確認してください。
例え脱線しても、シナリオの本筋がブレないように。

そうして舞台の動かし方がわかり、PLがどう動いてもある程度対応できるよう準備できれば、自然とPLに合わせた動きができるようになります。

◆目標設定はどうしたらいい?

キャンペーンシナリオってあるじゃないですか。
0章で取り上げた公式シナリオも、2つのシナリオで構成されるキャンペーンシナリオというべきものなんですが。
そういうシナリオを作る・利用するとき、目標をデカくしていませんか?

今すぐやめましょう。
目標を大きくすると、広げた風呂敷を畳めなくなります。

そんなことしてたら、ロールプレイに一貫性がなくなってしまいますよ。
他のデメリットの例を以下に示します。

・想定通りにストーリーが進みにくく、目標達成が困難になる。
・達成までの流れをしっかり定めた結果、シナリオが一本道になる。
・設定が散らばりすぎて、ロールプレイが薄味になる。

私も一度やらかしました。

ひとつ目を防ぐためにふたつ目をやってしまう、というのはよくあること。それじゃ本末転倒ですよね。
では、実際どういう目標設定をするべきなのか。
まずは一話完結の場合。簡単な例を以下に示します。

・シンプルな依頼の達成
・敵の前哨基地や各種ダンジョンの攻略、または脱出
・謎解きひとつ

Q.シンプルな依頼って?
A.街道の護衛依頼とか、畑の害獣駆除とか。

目標の達成で、簡単にオチがつくタイプのものです。
冒険者ギルドで依頼を探して、それを達成する。
一番多いのはこれでしょう。

続いて、キャンペーンシナリオの場合。

・敵組織の壊滅
・巨大なダンジョンの踏破
・連続事件の真相解明

蛮族の先鋒部隊発見→敵前哨基地攻略→敵本拠点攻略
といった流れだと、3~4話くらいのシナリオが書けるはず。

今挙げた二種類の例、なんだか似ていませんか?
例えば、「敵の前哨基地の攻略」と「敵組織の壊滅」
あるいは、「謎解きひとつ」と「連続事件の真相解明」
どういうことかといいますと……

キャンペーンシナリオとは、連続性のあるシナリオです。
それらのシナリオ間には、何らかの因果関係があるはずです。

それらがないキャンペーンシナリオは、一話完結型のシナリオを集めているのと変わりません。
そうなってしまいそうな例を出してみます。

最終目標:沼地の主、ヒドラ(『Ⅱ』402)の討伐
PC作成レギュレーション:初期作成

シナリオ概要:
街道沿いにある沼地の最奥には、ヒドラが生息している。
このヒドラがいなければ、沼地の開拓は進み、もっと街は豊かになる筈。
そこで、PCは様々な依頼を受けて成長し、ヒドラ討伐を目指す。

問題点のあるシナリオ、あえて作ろうとすると逆に難しい説。
普段作ってるシナリオなんて問題だらけなのにね。

ツッコミどころが多いですね……
動機付けが甘いとか、作成レギュレーションと目標が合っていないとか、そういうのは一旦置いておきます。
ここで問いたいのは、「様々な依頼って何?」という点。
それって、ヒドラ討伐と何か関係があるのでしょうか?

勿論、そのあたりの理由付けを上手にできる人というのは世の中にいます。が。
適切な動機があり、因果関係も明確で連続したシナリオを、たった一体の「ヒドラ討伐」から導き出すのって難しくないですか?

ひとつの目標を達成するために、間に必要なプロセスを挟むことで、連続性と因果関係というものは簡単に生み出せます。
ただ「なにかしらの魔物を討伐する」だけでは、関連する必要なプロセスが全く見つかりません。
目標の設定は慎重に行いましょう。

2章.セッション中の情報

ロールプレイを始めるには、なんらかの情報が必要です。
あなたたちはどこにいて、何をしているんですか?
今、周囲では何が起こっていますか?
これらは、ロールプレイを始めるための前提条件だと思ってください。

◆5W1Hのチェック

すべてはこの5W1Hに収束するといっても過言ではありません。
色んなところで見かける5W1H、ここではその詳細を説明しません。
ぶっちゃけ面倒くさい……
シナリオを確認するときは「必ず」5W1Hの整理をしましょう。

◆シナリオの導入

どのNPCが、どういう流れで喋っているのか。
しっかり確認しておきましょう。
ここは例外として、GMが喋る量が少しだけ増えます。

また、これが一話完結型かキャンペーンの一話目である場合。
多くのケースで、まず最初にPCたちの自己紹介パートを挟みます。

ということは、早速PCが想定していない行動を起こす可能性がありますね。
さらにはGMが喋る量も増える……となれば、情報の整理は念入りに。
具体的にどのあたりに着目すべきか、例を示しましょう。

・PCの現在地(どの地方、どの国、どの街のどの建物の中?)
・いつ頃の出来事なのか(季節感があると、ロールに彩りが増えます)
・現場には誰がいるのか(職員NPC等がいると話が円滑になります)

朝方、どこかの街の冒険者ギルドの中に集まった。
というケースが多そう。

PCたちの現在地に関しては、その背景事情まで伝えるべきでしょう。
ギルドや宿は何階立てですか?室内のレイアウトは?
利用者は多い方?少ない方?その町に活気はありますか?
思い浮かべた情景が伝わるように、共有してあげてください。

◆進行上、介入が必要な場所

PLの行動は想定通りにいかない、だからPLに合わせる。
この言葉は正しいのですが、どうしても進行上介入しなければならない部分が出てきます。

  • PCがなんらかの行動をした

  • PCがどこかに移動しようとした

色んなシチュエーションが想定できます。
そのシチュエーション毎に合わせた、PCに干渉を始める条件と対応の内容を確認しておきましょう。
例えば、村で村長の話を聞いて欲しい場合は、

・聞き込みを3回行う
・村長の家に向かうと宣言する
・村の外に出ようとする

以上の条件が満たされた時、

・ちょうど現れた村長がPCに話しかける
・村長とNPCが話しているのを見かける

などの対応を行う。

さっさとシナリオを進めよう、と情報なしで森に突っ込む冒険者がいます。
それを止めるためのシチュエーションを用意しておくべきです。
それすら無視された場合は……痛い目にあってもらいましょうか。

という感じでしょうか。
シーンを切り替える際も、同様に条件と対応の設定を確認してください。

◆その他のお話

背景画像とかBGMとか……設定したくないですか?
まぁ、それらの用意は各自でしてもらうとして……
私がいいたいのは、
ココフォリアなら全部まとめてできる!
ということです。

こんな感じで説明されています。
他にもたくさんの機能が、
ココフォリア公式ドキュメントで説明されています。
是非、皆さんもココフォリアを使ってみてください。

3章.戦闘描写

GMPL問わず、戦闘中はロールプレイに割く脳のCPU割合って少なくなりますよね。そりゃ当然だ、戦闘中なんだから。

SW2.5は戦闘重視のゲームシステム構成になっています。
そのため、戦闘について考えることは多いです。
そんな中、同時にロールプレイはできるのか。
どんなロールプレイをした方がいいのか。
そういったお話をします。

◆発話は必ずしも必要ではない

皆さん、漫画やアニメを見ることはありますか?
その中で、戦闘中や試合中にクソ長い台詞を喋っているキャラクター、見たことありません?
最近は少ないのかな……とにかく、それって違和感がありますよね。

SW2.5において、戦闘中に一回行動できる時間、すなわち1ラウンドあたりの時間は、大体10秒程度とされています。
この間に魔法をひとつ詠唱したり、敵と斬り合いをするわけです。
その間に喋れる量ってどのくらいでしょうか。
無論、運動や詠唱を挟んでいる前提ですよ?

と考えた時に、色々話すのもなんだかおかしな話だとわかります。
冒険者たちは最低限の言葉と、アイコンタクト等の身振り手振りでコミュニケーションを取り、戦闘を行っているわけです。

ということは。
戦闘中のロールプレイの文章ってそこまで長くする必要がないんですよね。

「前は俺が抑える!」
隣の軽戦士に顔を向ける。
その視線はパーティの後方、挟撃をしてきた妖魔へ。
――お前は後ろを頼む。
アイコンタクトを交わした戦士の男は、両手に剣と盾を構え、ドレイクへと立ち向かった。

挟撃される状況、激アツRPポイント。
筆がのっちまうぜ。

ここまで長くする必要はないです。

やりたい方を止めるわけではありません。
ただ、戦闘中はもっと簡潔でもいいんです。

「前は俺が抑える!」
フェンサー君に、後ろを抑えてもらうようにアイコンタクトをしてから、ドレイクに接敵します。

テキセ、ボイセ問わずいつもこんな感じやね

文章がスッキリしましたし、シンプルに伝わりますよね。
小説っぽい書き方は、リプレイ映えするものです。
ただ、それで時間がかかって進行が滞るのはおかしな話。

ここにGMとPLの違いはありません。
大事なのは、
「相手に伝わりやすいロールプレイをできるか」
です。

◆魔法の詠唱/サプリメントのここがすごい!

SW2.5では言葉を発せない状況下では、真語魔法などが使えません。
詠唱する必要があるからです。

その「詠唱」ってなあに?と悩んでいるそこのあなた。
なんとですね。
ソードワールド2.5 サプリメント メイガスアーツ
には、魔法の詠唱文が載っています!

各魔法の下に「詠唱」という項目が追加されています。
これでロールプレイの幅が簡単に広がりますよ!

と、いったように。
サプリメントで追加されるデータは、ゲームシステムに限った話ではありません。ロールプレイにも大いに関係があります。
他のサプリメントも同様ですから、しっかりチェックしておきましょう。

4章.サプリメントのすゝめ

今回はたくさん紹介します。
公式で舞台設定を深掘りするものをたくさん出してますからね。
紹介しない手はないんでね。
ダイレクトマーケティング!

◆エピックトレジャリー

膨大なアイテムデータを纏めた一冊です。
他にも新たなエネミー強化方法や、追加報酬システム。
さらには一般技能といった、キャラクターを深堀りする内容も。
ロールプレイの幅が広がるサプリメントとしても優秀なので、是非。

◆ラクシアライフ

名前からしてロールプレイの幅が広がりそう。

先述した一般技能の話や、ラクシアの公式NPCたちをまとめた一冊。
ランダムシナリオもあるし、GMとしてはありがたいPC作成関連の話も。
まさに今回のテーマにぴったりな一冊です。
君も、アルフレイム大陸での生活を楽しもう。

◆博物誌

博物誌です。

その地方の国家や文化、固有の魔物などが記載されています。
画面の前のロールプレイの民たちへ。
今、あなたの魂に訴えかけています。

これ、めちゃくちゃ欲しくないですか???

5章.さいごに

ここまで読んでくださった皆様。
お疲れ様でした。

前回の記事より5000字も少なくなってしまいましたね。
もう少し話せることがあったと思うんですが、あんまり話しすぎても良くないな……ということでこんな形に。
お手軽に読める記事になったんじゃないでしょうか。

ここで話しことが全てではありませんが、頭の片隅においてくれると幸いです。

全てのTRPGプレイヤーに感謝を込めて。
それでは、またいつか。

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