【学習記録87】脳科学と人工知能: シンギュラリティ前夜における、人間と機械の接点

Udemyの「脳科学と人工知能: シンギュラリティ前夜における、人間と機械の接点」の27日目です。

今日も「セクション5」を進めていきます。


31. 意識を扱う理論

意識の統合情報理論
・精神科医・神経科学者ジュリオ・トノーニによって提唱された、意識の発生を説明する理論
・意識には、情報の多様性・統合という二つの基本的特性があり、ネットワークが意識を持つためには、内部で多様な情報が統合されることが必要とされる。
・差異と統合のバランス、意思の疎通がとれた専門家集団のイメージ
・統合された情報の量は「統合情報量」Φとして定量化される。
・Φは意識の量を表すが、大脳皮質はΦが高く、小脳皮質では低い。


グローバル・ニューロナル・ワークスペース理論
・神経科学者スタニスラス・ドゥアンヌらが提唱する意識を扱う理論
・無意識で処理される情報は、「ワークスペース」に留まるが、注意が向けられると「グローバル・ワークスペース」に入る。
・グローバル・ワークスペースは、前頭葉や頭頂葉にまたがるニューロン集団により構成され、様々な認知システムから自由にアクセスできる。
・グローバル・ワークスペースに情報を共有することにより、意識が生じると考えられている。
・グローバル・ワークスペース内の情報は、計画・抽象思考などに利用可能。


意識のハード・プロブレム
・哲学者デイビッド・チャーマーズは、意識の問題を二つに分けた。
・「意識のイージー・プロブレム」は、物質やシステムとしての脳はどのように情報を処理しているのかという問題。
・「意識のハード・プロブレム」は、主観的な意識体験はどのように発生するのかという問題。
・脳をどのように観測しても、一人一人が感じる感覚の質感(クオリア)などの意識体験は観察されない。
・「意識の統合情報理論」「GNW」は、意識のイージー・プロブレム。
・我々の意識は、単なる「電気信号の複雑流れ」なのだろうか?


意識の創発
創発とは、各個体の性質の単純な総和にとどまらない性質が、全体として現れること。
・鳥の群れに特定のリーダーはいないが、各個体が単純なルールに従って飛行することで全体で一体の生き物のようにふるまう。
・個々の白アリはアリ塚全体のことは知らないが、高度な空調機能を備えたアリ塚を建築する。
・個々の神経細胞が行う処理はシンプルだが、複雑なネットワークとなることで意識が創発されると考えることもできる。


なるほど。とても興味深い内容でした。
創発の考え方が、自然で最も実際に近いような気もしますね。

次回は「セクション6」に入ります。
間もなくこのコースも終わりですね。

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