【短編小説】いつか墓標になるまで
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廃道には長短さまざまな雑草がはびこり、枯れ枝や枯れ葉でおおわれてケモノ道のような状態になっているので、彼は道をまちがえていないか何度も確認しなければならなかった。目ざしている祖父の故郷は目と鼻のさきにせまっている。それなのに山奥に進み続ける内に舗装された道が恋しくなり、徐々に後悔の念が深まるのであった。彼はなんとか自分を叱咤激励しながら草木をかきわけていった。
あなだらけの老木のトンネルを抜けると平