【短編小説】十四時二十七分の停留所
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停留所にはだれもいなかった。目ざしている総合病院は目と鼻のさきなのでバスを利用しなくてもいけるだろう。それでもぼくは停留所のまえで足をとめた。日常の雑事に追われて根気をなくしているのである。地図を確認したときは気づかなかったが、総合病院にいたる道すじは何度も坂をのぼりおりしなければならず、としをかさねるごとに体力をなくしている身にはいばらの道もどうぜんだった。
ふるめかしい木造の停留所は世辞にも整備さ