初段note  戦法選び編

どうもこむぎんです。
初段noteということでこの記事では「初段になるにあたっての戦法選び」について書いていきたいと思います。

将棋の強さにおいて「戦法」とはどれくらいの影響力を持つのでしょうか。

自分が将棋の師匠に教わった頃の記憶を思い出すと、「○○の戦法の定跡書を読め」、「○○の戦法の棋譜を何局並べろ」のようなことは一切言われた事はありませんでした。
好きな戦法を指せば良いのです。局面毎にどう指していくかが重要で、戦法での有利不利はアマレベルでは気にする必要が無いと(実際に言われた訳ではありませんが)感じました。

しかしながら、自分が初段になる為の最後の一押しは戦法選びにありました。
右四間飛車をメイン戦法にし、不慣れな相居飛車で悪戦苦闘していた自分は、三間飛車をメイン戦法にすることで初段に昇段することが出来ました。

級位者だった自分にとって戦法選びのどんな点が重要だったのか、そのポイントについて語っていきます。



 

①評価値の居飛車、経験値の振り飛車


自分の得意戦法の経緯は
4級・3級まで→四間飛車
3級~1級→右四間飛車
1級~初段→三間飛車

このように変動していきました。

居飛車党振り飛車党、両方経験したことで感じたことがあります。


それは

「振り飛車のほうが経験値が圧倒的に貯まりやすい!」

です。

居飛車時代は相手にする戦法があまりにも多すぎて、勉強量で四苦八苦していた記憶があります。

振り飛車は違う戦法相手でも近似局面が出てくることも多く、振り返りでの反省点を後々の対局に生かしやすいです。
居飛車時代は振り返りで学んだことを実践出来るタイミングが中々無く、それがモチベの低下に繋がったりもしました。


 対嬉野流。専用対策は特に考えずに棒銀で学んだ知識を生かす。




また中飛車や三間飛車など一見別物のように見える振り飛車でも、飛車を振り直すことによって似たような局面が出てくることが多々あります。
使用する振り飛車を一本に絞らなくても経験を蓄積していけるのが振り飛車の強みです。

例:ゴキゲン中飛車から三間飛車へのシフト

また、相振り飛車が指したくないから振り飛車を指さない、指せないという人をよく見かけますが相振りを指すことで以下のメリットもあります。

・相振り飛車は縦の将棋なので実は相居飛車の練習にもなる
・歩の手筋や端攻めを駆使していくことが多く、将棋の基礎の上達に繋がる
・定跡に頼らず、理想の局面を作っていく感覚が身に付く

力戦になることも多く、どうやって手を作っていくかを常に考える相振りは将棋の基礎力が身に付く

自分は今でも相振り飛車は苦手意識がありますが、勉強になる部分は相振りのほうが多いと感じます。


 初心者に必要なのは将棋の基礎力の上達です。振り飛車を指すことで自然と基礎力の上達が見込めるのではないかと感じました。

②奇襲戦法対策を早急にまとめるべし!


ウォーズ特有なのかもしれませんが、級位者帯だとアヒルや嬉野流、早石田といった奇襲戦法には頻繁にマッチングします。級位者でこれらの戦法に苦手意識がある方は多いのではないでしょうか。

「奇襲戦法対策をまとめること」は初段になる上でめちゃくちゃ重要です!!


ついメイン戦法の定跡整備に時間を取られて奇襲戦法対策をおろそかにしがちな方もいると思いますが、むしろメイン戦法よりも奇襲戦法の定跡整備のほうが費用対効果が高いと感じました。

その理由としては
・奇襲戦法を使ってくる相手の半分くらいは実は使いこなせていない

という点です。

雰囲気だけで奇襲戦法を使う方が(特に級位者帯では)多いと個人的に感じます。
早石田で飛車を取れれば勝ちだと思っている人、アヒルでひたすら手待ちするしか出来ない人などが良い例です。

もちろん奇襲戦法もちゃんと使いこなせば一線級に活躍できる戦法ではあるのですが、そのレベルで戦法を使いこなしている人は非常に少ないです。

桂馬まで使うア○ルマンさんのような使い手は級位者には99%いない。

対策は細かい分岐まで全て抑える必要は無いと思いますが、自信を持って指せる局面まで大体持っていけるくらいの勉強は必要です。

対アヒル+500くらいの局面。まだまだ難しい勝負だが一方的にやられさえしなければOKくらいのゆるい考え。


実際に自分が初段になる頃には上で挙げた奇襲戦法のほとんどには大体指せるくらいの対策はまとめあげていました。(最後まで分からなかったのは飯島流引き角戦法くらい)

 奇襲戦法対策もバリエーションがありますが自分に合ったものを採用すれば良いと思います。居飛車振り飛車も拘る必要はありません。指しやすいと感じた対策を選びましょう。

奇襲戦法に対しては居飛車振り飛車使い分けをする。下手に振り飛車一本に拘ると泥沼にハマったりします。

③初段になるためにオススメの戦法とは

最初でもさらっと述べましたが、初段くらいのレベルであればどんな戦法を使ってもなれると思いますし、自由に選択して良いと思います。
そのうえでオススメするとすればやはり振り飛車です。

・玉を囲う癖が自然と付く
この一点だけでも振り飛車をやる価値が大いにあると思っています。それほどに級位者で玉を囲わない人は多いです。

・相手に合わせて指し手が変わるので序盤から考える癖が付く
右四間時代は仕掛けの段階までほぼ暗記して即指ししていました。今では序盤から考える癖が身に付いたことで指し手の一貫性が出てきたと感じます。


振り飛車の中でも個人的にオススメは
「中飛車」と「三間飛車」です。
初心者振り飛車党の天敵が居飛車穴熊と右四間飛車なのですが、
・中飛車は右四間にそもそも組ませない
・三間飛車は居飛車穴熊に積極策で臨める。

こういったメリットがあります。

四間飛車は対持久戦が初心者が指しこなすには難しく感じました。ただ四間飛車の対急戦は振り飛車の基礎が詰まっているので勉強する価値大です。
向かい飛車はよく分かりません。よる。さんすいません。
KKSも単調なイメージで個人的に好きじゃありません。もぐらさんすいません。



長々と書いてしまいましたが、将棋の強さにおける戦法選択の影響力というのは少ないです。
重要なのはあくまで中終盤の手筋だったり詰将棋力、何より自分で考えていく力だと思います。
それらを磨いて行くためにも指していて納得出来る戦法選択をしていきたいですね。


まとまりの無い記事ですが初段を目指す誰かの参考になれば幸いです。



追記: 右四間についての印象

右四間を長らくメイン戦法にしていた私こむぎんですが、良かった点悪かった点両方がありました。

良かった点
・参考資料が多い
・受けを知らない相手なら問答無用に分からん殺し出来る
・角道を止められればほぼほぼ右四間に出来るので序盤の駒組が楽

悪かった点
・相居飛車がとにかくストレス。勉強量も多い。
・初段前後だと右四間対策を固めている人も多いので結局実力勝負になってしまう。
・序盤が単調になるので考える癖が身に付かない

藤森先生の動画やYouTuberそらさんの動画然り、初心者が学ぶ教材として右四間飛車は非常に優れていると思います。3級帯くらいまでは戦法の強さだけでねじ伏せられるだけのパワーが右四間にはあります。

 片っ端からそらさんの動画を見ていくだけで右四間は指せるようになります。このチャンネルは現代の右四間定跡書と言っても過言ではありません。

しかし右四間という戦法はあまりにも強過ぎます。それ故に考える力、局面を作っていく力が伸びないのではないでしょうか。


右四間は指せるけど相居飛車は苦手、といった方も数多くいると思います。
自分も右四間の仕掛けが明解過ぎるあまり、逆に相居飛車の複雑さに悩まされました。

今では局所的に右四間飛車を採用していますが、何でもかんでも右四間にするのは両刃の剣なのかもしれません。


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