サブスク彼氏は初恋の、

テーマ

クマキヒロシさん『サブスク彼氏』



登場人物

マユ:24歳OL。初恋は、アニメ『アンダーワールド』の天上ツカサくん。一途な純愛をするツカサくんが好きで、現実の男性にはなかなかときめくことが無い。そのため今まで彼氏がいたことが無い。

天上ツカサ:アニメ『アンダーワールド』のキャラクター。爽やかな見た目と一途にヒロインを想う言動が女性から人気。台詞はベタで甘めなものが多い。

成田ユウキ:マユが初回お試しキャンペーンで選んだ初めてのサブスク彼氏。本業に行き詰っており、息抜きのつもりでサブスク彼氏体験に登録。マユの前に2、3人のサブスク彼氏をしていた。



あらすじ

仲の良い女友達と居酒屋に行ったマユは、今夜もまたいつもと同じ台詞を言われた。「ねえマユ、まだ彼氏できないの?」



マユ「まだって…彼氏って作ろうと思って作れるわけじゃないじゃん。まあ、確かにいないけど…」

友達「うふふ。マユ、彼氏は作る時代になってるのよ!」

マユ「?」


そう友達に紹介されたのはサブスク彼氏のアプリ。音楽だけじゃなく彼氏もサブスクの時代になっていた。

偽物の彼氏なんて、と断ろうとするマユに友人は「じゃあそれは本物なの?」と聞く。友人が指差すのはマユのスマートフォン。待受は、天上ツカサくん。マユの大好きなアニメキャラクターの男の子。

ツカサくんに対する気持ちは偽物ではなく本物だ、と思いつつも友人に登録されてサブスク彼氏を試してみることに。


初めてのサブスク彼氏、成田ユウキとデートを楽しむマユ。

友人から「ツカサくんは封印しろ」と助言を受けていたため待受はツカサくんから変更しているものの、あくまでもサブスク彼氏であるが故にいまいち本気になって接することができない。やっぱりわたしにサブスク彼氏は向いていないなあ、と思っていると…
居酒屋で大きく口を開けて食べるマユを見たユウキが笑った。


ユウキ「ふはっ、子供みたい」

マユ「え、ツカサくん…?!」

ユウキ「……あ、ツカサって、天上ツカサ?」


マユの脳内に、ツカサくんが口いっぱいに頬張るヒロインに「子供みたい」と微笑むシーンが浮かんだ。声が、目の前のユウキと全く同じだった。

サブスク彼氏は、初恋の「中の人」。

成田ユウキは、ツカサくんの声優である羽田ユウキだった。


自分がツカサくん好きだと(オタクだと)バレたことによって吹っ切れたマユは、ツカサくんの好きな台詞をユウキにリクエストする。

声優の仕事に自信を無くしていたユウキだったが、自分の台詞をわくわくして聞きながら目の前できゃーきゃー悶えたり笑ったり照れたり泣いたりするマユを見て、自信を取り戻し始める。

マユは、ツカサくんを通したユウキだけではなく、ユウキ本人のことをもっと知っていきたいと思うようになる。



最終的にはユウキがツカサくんの台詞をマユの名前に言い換えて告白。

「なぁマユ。俺、マユの彼氏になりたいって思ってるんだけど」




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