となりの妖怪 其の1「まうん天狗」
いつからでしょう。
「マウンティング」という単語を耳にするようになったのは。
あまり良い意味では聞かれない。
「なんか嫌な感じ」な人のことを指して「マウンティングする人」と言ったりする。
Webで検索してみました。(広辞苑)
https://sakura-paris.org/dict/
「サルがほかのサルの尻に乗り,交尾の姿勢をとること。霊長類に見られ,雌雄に関係なく行われる。
動物社会における順位確認の行為で,一方は優位を誇示し他方は無抵抗を示して,攻撃を抑止したり社会的関係を調停したりする。馬乗り行為。」
そうですね、そうですね。
ひとことで言うならば「優位性の誇示」、それがマウンティング。
「動物社会」かあ。
いやいや、昨今、人間社会でもそれは頻繁に行われていやしませんか。
動物のように目に見えてわかりやすく「尻に乗る」なんてことはないけれど、
会話の中のふとした瞬間、
『君より私のほうが優れているよ、私は偉いんだよ、凄いんだよ』とふんわり匂わせて来ようとするあの言動。
人間は、動物化している・・?
もしや「動物」と「人間」の境目に”あれ”がいるのでは・・・
それは、ひょっとしたら、「まうん天狗」かもしれません。
「まうん天狗」に憑かれたヒトは、他者に「マウンティング」を仕掛けだす・・・きっと。
決して凶悪な妖怪ではない(であろう)「まうん天狗」。
油断したら、ヒトは誰しもがとり憑かれてしまいそうな現代の妖怪。
どんな行動をとるのかなあ。
その言葉で何を誰に伝えさせようとしているのだろう。
そして、なぜ、このヒトはあやかしに憑かれる隙を見せてしまったのかしら。
生態、発生のメカニズム、お祓い方法、(あわよくば)共存のしかた・・・
「となりの現代妖怪ずかん」の編さんを試みるわたしたちは、
そんなことをひとつずつ紐解いていければいいな、と思っています。
あなたの周りにもいませんか?
まうん天狗に憑かれた人々が。
あれ?もしや、この人・・?と、思ったら、そっと観察してみてください。
※まうん天狗のイラストはデザイナーの「奈良都民」さんが描いてくれました~!
奈良都民 http://naratomin.com/
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