こもりもこ
トキちゃんのぬるい日常。それぞれのエピソードの元になった出来事も添えています。インスタグラムからのよりぬきです。
小さな学習塾の、ささやかな出来事です。お話にまつわるエピソードも添えています。インスタグラムからのよりぬきです。 お話はフィクションです。
向田邦子〈男どき女どき〉から〈鮒〉。ツユ子は〈小さなことでも心に沁みる喜びかたをする〉。この一節が好きだ。とても艶っぽい。一方私はというと。何でも喜ぶね、そんなに喜んでくれるなんて嬉しいよ、と、まあまあよく人から言われるのだが、ベースが根暗でこの世の終わりみたいに物事を考えるので、些細な優しさや出来事が嬉しいのだ。私の喜び様は艶っぽくはない。ただ今日も懸命に生きている。
言葉は、言葉はさ、刺さったり、ぶつかったり、絡みついたり。今夜は、そうだな、寄り添うのが、いいな。そんな言葉が、いいな。
自分自身を整えるには、 毛玉取りだ。 スッと心を落ち着けて、家を出る。 そして、一歩家を出て気づくのだ。 服の配色が、 季節外れのクリスマスカラーに なっていることに。 後戻りは、 できない。
季節は移ろう。 私は変わらず、ものを落とす。 どうしてこう、ものが手から離れていくのだろう??と呆れた小さな私は、気づけばもう十分にいい大人である。
靴下が無い、ということがまあまあ、ある。干しっぱなしなのだ。いつからだ。