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南熱海にあるチルい宿
毎日の労働で心がすり減っている…。
そんなときSNSで目にした「2YL」。
宿は南熱海と呼ばれるらしい、網代駅にあった。
熱海駅とは違い、商店街もなく、人影は少ない。
到着するといまにも雨が降り出しそうな曇り空。
駅から海沿いへ出て、住宅街を抜けて、歩くこと20分ほどだったか。
写真で見た内装とは、あまり結びつかない外観。
中へ入ると、感じのいいお兄さんが出迎えてくれた。
尋ねると、予約時には埋まっていた私が一番泊まってみたいと思っていた301のお部屋が空いているという。
急遽、お部屋を変更させていただいた。
ありがとうお兄さん。
久々にフィルムを稼働させてみたが、圧倒的光量不足。
それでも、この写真を見るとあの部屋の安らぎを思い出す。
とても静かで、窓の外には家々が続く穏やかな風景が広がり、遠くに海が浮かぶ。
薄暗さすら、味わいにしてしまう、素晴らしいお部屋だった。
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![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/132402971/picture_pc_8d94adfe5a35f10f048ea54e7cf87046.png?width=800)
レコードプレイヤーで、音楽を流す。
近くを観光するわけでもなく、音楽の流れる部屋で、ぼーっとする。
積み重なった疲労感、重怠いからだ、すり減ってトゲトゲした心。
そういうものに、改めて自覚的になりながら、ただただ、ぼーっとする。
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![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/132404834/picture_pc_7e44d3b9f12b61936e991868231d0136.png?width=800)
日が暮れる。南熱海の夜闇はとても深かった。
「夜ってこんなに暗かったんだ。」
忙しい東京で、せせこましく働いていると、そんな当たり前のことさえ、忘れてしまうらしかった。
年明けから忙しくなく働き、気付けば3月。
定期的に自分をケアする時間を設けたいなと考える、写真を見返しながら。
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