教室のクーラー

学校に通わなくなると、
恋しくなるものがいくつかある。

その中でも、私がこの季節に恋しくなるのは
教室のクーラーだ。

夏の暑い時期の教室のクーラーと言えば、
この上ない幸せな空間だった。
クーラーがガンガンに効いた教室で受ける授業は、
本当に心地が良い。
しだいに眠たくなって寝てしまうということは何度も経験した。

一方で、体育などから帰ってきた時、
教室のクーラーがついてなかったら本当に地獄だった。
文句が止まらなかった。
しかも、生徒にクーラーを入れる権限はなく、
先生の判断でクーラーがつくようになっていた。
クーラーをつけてくれと懇願する生徒は、
私にとって夏の風物詩の一つだった。

歳を重ねるにつれ、過去を振り返って
もう二度と経験できないんだなと思うことが増えた。
教室のクーラーも、あれだけ嫌だった部活も、
放課後制服のままどこかへ出かけることも、
もう二度と経験できないんだと考えると、寂しくなる。

だからこそ、何歳になっても今のこの一瞬を全力で楽しみ、時には悲しみ、そして何事にも一生懸命に取り組むことが大切なのだと思う。

だから私は、
自分が今置かれている状況下を、精一杯に生きたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?