カードの話

友人と飲みに行った日、ブックオフに寄った。

そこでカードのガチャガチャがあったので懐かしさ半分とお金にある程度余裕のある今なら外れても大きなショックを受けずにできるだろうとおもったからだ。

僕は久しぶりにガチャガチャを回す感覚にカタルシスを感じながらやった。そしたら、何やら付箋がついているものが出てきたのだ。

恐らくそれはレアカードが入っていますということなのだろう。開けてみると予想通りに一番上のカードは紙で店員に交換してくださいのような文言が書かれていた。

カウンターに行きそのことを店員に告げると、「おめでとうございます!!」と近くの人が振り向くくらいの声量で言った。

実際にこのカードのレア度や数十年遊んでいないカードゲームなので使い方もわからないのだが、その日僕は一日中何でもできるような気がした。

居酒屋の会計や、焼肉屋の行列も全てこのカードを見せれば解決してくれるだろうとも考えた。

しかし、流石にそこそこ良いものを使わない奴が持っていてもしょうがないので、後日カードショップに売りに行った。

だが、店員にこのカードを見せたら腰を抜かすんじゃないかとか、全く知らない機関に連絡が行き大変なことになるんではないかと心配していたがもちろんそんなことはなかった。

「2980円だね〜」と若金髪のねぇちゃんに言われ、タメ口かよ…とか思いつつも下調べした金額よりも低かったので売るのをやめた。


カードは現在僕の手元にまだある。中途半端に愛着が湧いてきてしまい中々手元から離せない。

そして、後遺症として一度物凄い当たりを引いたガチャガチャにハマりつい機械を探してしまう。あの快感が忘れられなくなっているのだ。

20を超えてから行うガチャガチャはあらゆるギャンブルよりも驚異なのかもしれない。

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