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書評『沖縄の海風そよぐやさしい暮らし365日』
出版間際の最終文字校正という貴重な場面に立ち会わせて頂きました、こちらの本。
『沖縄の海風そよぐやさしい暮らし365日』
ホント、出産前に立ち会った親戚みたいな気持ちです!
著者のながもとみちさんの、「みち」の名前の由来は孔子の論語からきているとのこと。
僕の仁至もまったく同じ由来で、論語からきている名前です。
論語由来の名前の人に会ったのは、実の兄以外では初めてw
そんなわけで、何重にも他人とは思えません。
同じ沖縄移住15年以上(僕は20年以上)組として、ただの観光客ではない、でも地元に先祖がいるわけではない。主観と客観がちょうどいい時期だからこそ、産まれた本なんだと思います。
「そこら辺のうちなーんちゅより、ナイチャーの方が沖縄のこと詳しいよね。」
とか思うシーンってあるじゃないですか?あれです。あれが365日分詰まった1冊。
沖縄在住の方、沖縄好きな方、いずれ沖縄に帰ってくる方、みなさんの手に取ってほしい本です。
#2日連続書評days
僕が特に好きなのは10月8日。
「多様な魚がいる理由」の項。名嘉睦稔さんのインタビューから。
沖縄の海は北の海と比べて、プランクトンが少ない。
つまり環境として栄養が乏しいから、美しい。
栄養が乏しい代わりに、サンゴがあって、その畳半畳くらいのスペースに100種類もの生き物がいる…
生き物は環境下の影響を受けるんだよ。という主旨の項。
これがとってもスーッと入ってきました。
沖縄は貧しい。貧しいからこそ、美しいのかもしれない。
そして北の海のように栄養がないから魚が大きくならない。
でもその代わり、小さくて多様な生き物がいる環境でもある。
まさに僕がイメージする沖縄のビジョンにピッタリ。
大きくなりたい企業は北に行けばいいと思うのです。
沖縄は美しくて小さくて多様だからこそ、沖縄。
それがいいとか、悪いとかじゃなくて。
変えられることと変えられないこともあって、それが沖縄。
沖縄を捉えるにあたって、ここを起点に考えるのは
とっても腑に落ちるのです。
沖縄では大きな魚は育たないのかもしれない。
でもクジラが出産しにくるは、あの大きなクジラにとっても
安全な出産と子育ての安心できる海なんだし。
それってとても誇らしい、島であり海であり環境なんだけどな。
なんでそのことに、自信を持たず
FC店がズラーッと並ぶ、どこにでもある地方都市を目指して、経済指標だけ平均点をとろうとするのだろう?
と、僕が常日頃もやもやしていたことに、1つの解が示された項でした。
「うんうん、やっぱり沖縄のこういう所が好きだな。」
そう思うことが、読んでいるとたくさんある本です。
沖縄のことを知らない
沖縄トーナメント1回戦とか2回戦の初心者に
わざわざ話を合わせて時間を使う暇はない。と以前投稿して、かなり共感を得たのですが、まさに沖縄を語りたいならこの本はまず通って、準備はしてきてくださいね。という1冊。
沖縄には四季がない。常夏なんだーとか、言っているとしたら、ホント恥かきまっせ。
風にすら名前をつける島。それが沖縄。
四季折々の表情や文化や歴史もあるのが沖縄。
常に手元に置いておこうと思っている1冊です。
#沖縄の海風そよぐやさしい暮らし365日
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