2024年27号
《特集》最古の同音ライム4連打(SIX編)
第1作
ざっと調べた限り、SIXが踏んだ最も古い同音ライム4連打はこちらです。
「賭した」「見落とした」「産み落とした」の拙い感じがかわいいですね。
第2作
その次は、上記例の直後に出た以下の4連打と思われます。
作品名にめっちゃ「~」入れがち……。
余談
なお、3連打だと2004年に以下の作例があります。
同音ライムではないが、補助的な韻の「相手」もアクセントになっている。
備考
途中、データ消失や記憶喪失があったため、調査結果の正確性は保証できません。
正確な情報はゴオウインに聞いてください。
(文/SIX)
《コラム》韻文は娯楽か芸術か?(草稿)
探偵小説と韻文
『日本探偵作家論』を読んでいて、探偵小説をめぐる議論には韻文と通じるものがあると思った。
過去のコラムにも近いことを書いたかもしれない。(記憶を失っているので定かではない)
探偵小説の位置付け
“トリックや謎解きなどの娯楽性”vs“文学としての芸術性”
⇒前者を重視した作風は非現実的、非文学的と叩かれがち
韻文の位置付け
“言葉遊びによるゲーム性”vs“詩や音楽としての芸術性”
⇒前者を重視した作風はメッセージ性が無い、音楽的価値が無いと叩かれがち
探偵小説の区分横断
主な意見(筆者による要約)
甲賀三郎:探偵小説においても小説的要素は皆無ではないが比率は低く、重要なのは探偵的要素(推理など)である
木々高太郎:優れた探偵小説であるならば、文学性や芸術性が生じてくるものだし、そうでないなら小説といえないので、探偵読物であっても探偵小説ではない
江戸川乱歩:探偵小説はどちらにもなりうる(探偵小説の内に純文学的なものも大衆文学的なものもあり得る)
韻文に応用できるか?
韻文の区分横断
仮説
韻文において芸術や詩情性は皆無ではないが比率は低い?
優れた韻文であるならば、文学性や芸術性が生じてくる?
韻はどちらにもなりうる?(韻の内に娯楽的なものも芸術的なものもあり得る)
仮説に対する検討
探偵小説という形態を用いたからこそ物語に深みが生まれているのであれば、探偵小説ならではの芸術性があるといえる。
韻を用いたからこそ詩歌に深みが生まれているのであれば、韻文ならではの芸術性があるといえる。
しかし「韻を用いたからこそ」という部分は真か?
詩情性のある歌詞に“韻も”備わっている――というのではなく、韻を踏んだからこそ生じた、というケースがあるのだろうか?
個人的には“韻文はどちらにもなりうる”と言い切る根拠が見当たらないように思う。
“韻は娯楽のために用いるものだが、結果として芸術・詩情性が失われずに残る作品もある”というのが限界ではないか。
強いてそのようなものを――韻を踏んだからこそ生まれる文学性を――定義するとしたら、“韻を踏むために作者が行った創意工夫や苦心の跡が観察でき、そこから読者が受ける感動”こそ韻による詩情であり芸術といえるかもしれない。
そうだとすれば、真に芸術性のある韻文とは“言葉遊びのために他の何かを損なっているもの”である。
娯楽性の比率を多くした作品(たとえば「証人喚問」)に対して、文学性や芸術性の無さを理由に批判することはナンセンスである、ともいえるであろう。(※1)
(文/SIX)
脚注
※1 娯楽性の比率を多くした作品じたいがナンセンスだろ、とも言い返されうる
《企画》パンチイン・マイクリレー
概要
短い小節数で小刻みに交代するようなマイクリレーは、通常、対面での制作が適していると思われる。
しかし、あえて対面せずリモート形式(音源ファイル受け渡し)だけで、どこまで実現できるか試す。
手順
8小節や16小節程度の担当パートを、各自が一人で作詞する(歌詞内に発声分担も明記)
まずは書いた本人が、試聴用と清書用を録音する(試聴用の音源には全員分をミックス、清書用の音源には自分の箇所だけをミックスし穴あき状態にする)
試聴用と清書用を他のメンバに配る
受け取った者は、試聴用を参考にして清書用に手を入れる
備考
試聴用では担当者ごとに声色を変えておくと分かりやすい
(企画/SIX)
《付録》同音ライム4連打マイクリレー2024の安息
エピローグ
2024年8月。
こうして、《タイム・スクイーザー0》は破壊された。
シーンに数々の災いをもたらし、多くのライマーを苦しめたSIXは斃れた。
長き悪夢に終止符が打たれ、ここから新しい世界が始まるのだ。
【完】
初出
小説『squeezer』(押韻島文庫)
解説
皆さん、お楽しみいただけましたか?
これまで全8回に渡ってお届けした“同音ライム4連打マイクリレー2024シリーズ”は、覆面作家であるスイーツ棒棒鶏先生により執筆された小説です。
「深淵」から「安息」で構成された本作は、架空のMC“SIX”を巡る物語の最終楽章。
《日刊作詞家新聞》での連載後、押韻島文庫より単行本『squeezer』として刊行されましたが、その後は長く絶版となっていました。
このたび各方面のご協力の下、週刊公民館への再録が実現し、本作を新たな読者にご紹介できたことは編集部の大きな喜びです。
なお、著者であるスイーツ棒棒鶏先生は、筆名以外すべてが不詳。
『squeezer』以降発表された作品は無く、その後の動向は謎に包まれています。
(文/週刊公民館編集部)
今週のフリーライムマーケット(抜粋)
トミー・ジョン手術/******(2024.6.29)
蕃爽麗茶/********(2024.6.29)
堕落論/*****(2024.6.29)
チェッロ・リキュール/***(2024.7.2)
今週の押韻島地下城
ライムストアの開発中
編集後記
今週号の編集担当、SIXです。
嫌いなものは録音、嫌いなものは録音です。
よろしくお願いします。
(文/SIX)
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次号予告
《特集》未定
《企画》未定
花粉に苦しめられ、あらゆる作業が滞るSIX。
次号も無事に刊行できるのか?
がんばれSIX!
ただしがんばりすぎるな!
次回「伝説の魔物、ピンクドラゴンミリピード」
解き放て、魂の同音ライム!
(録音やりたくない……。)
編集 SIX
発行 押韻島公民館
2024.7.7
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