2024年19号






《特集》同音ライム4連打マイクリレー2024の概要

概要

同音ライム4連打マイクリレー2024とは、共作企画である。
2024年2月、押韻島公民館においてSIXが発案した。
その名称からおおむね想像は付くと思うが、以下に企画ルールを記載する。

企画ルール

  • マイクリレーとして複数人で行う

  • 各参加者は、同音ライム4連打を取り入れた作詞を行う

  • 年内に“2024年バージョン”として完成させ、2025年以降も年1回開催予定

進捗状況

当初、押韻島公民館の面々に参加依頼が出されたこの企画。
各メンバは「やれたらやる」との積極的な回答を述べた。
しかし2024年2月にSIXパートが提出された後の情報が無く、最終的に作品がどうなったのかは不明。
押韻島に残された各種文献にも、その顛末は記されていない。
(文/有識者)



《企画》フリーライム三題噺

遊び方

  1. フリーライムマーケットから好きな韻を3つ選ぶ

  2. それを使って作詞・録音

  3. 完成したらシェア

  4. フリーライムマーケットの該当ページで報告(必須ではないが報告すると盛り上がる)

備考

  • 誰でも参加可能

  • 小節数自由

  • トラック自由

  • 動画化は任意

  • 他者の使用した韻を再使用してもOK

  • 足りない場合は3つ以上使用してもOK

  • 無期限

中級者向けルール

  • フリーライムマーケットから好きな韻を2つ選ぶ

  • フリーライムガチャでランダムに残り1つを選ぶ

上級者向けルール

  • フリーライムガチャでランダムに3つ選ぶ

参加方法

押韻島公民館に直接お越しいただくか、以下リンクよりご連絡ください。

投稿作品紹介

SIX「TODAY IS A GOOD DAY TO RHYME」

すぎ花粉「TODAY IS A JUDGEMENT DAY TO RHYME」



《連載》同音ライム・フラッシュバック(第17回)

概要

この連載では、過去に発表された作品から同音ライムをピックアップして紹介する。
特に、同音ライム黎明期のものを中心に取り上げる予定。
なお本連載における同音ライムは、リズム不一致の韻、すなわち母音子音ライムを含める。
第17回となる今回は、司「昨日のReplay」からセレクト。
2chのスレッドに投稿されていた作品だと思うが、詳細なリリース時期は不明。

差異、連投/サイレント

右往左往 の中 差異、連投 しては閉じた口からは サイレント

(筆者注:音声では「閉じた口からは」、テキストでは「閉じた口から」となっている)

  • さいれんと

  • さいれんと

VCRパターン「さいれんと」、一致音数5音、リズム一致。
まず、一見「差異、連投」が意味不明である。
文脈上の要請とは無関係に、「サイレント」と同音ライムを形成するためだけに選択されたフレーズに見える。
果たして本当にそうなのだろうか?
その問いが出発点だ。
すべてはここから始まる。
さて、前後を読んでも「差異」や「連投」が何を指すのか、その説明は見当たらない。
何かを言い換えている風でもない。
読者はここで行き止まりに直面する。
そこで作者が表現しようとしたものは何なのか。
あるいは、何も意味がないのだろうか。
私が思うに、これはメタファーである。
作者は“人が生きていく中で行き止まりにぶつかった時の戸惑い”を表現したかった。
だが言葉で説明するのではなく、実際に体験として読者に伝えようとした。
そのために、同音ライムの形で“解釈の行き止まり”を作ったのだ。
「サイレント」のほうは、どのような意図で選択されたのだろうか。
「スピーカー」「不況和音」のような単語で騒々しさを強調した前段から、あえて「サイレンと」ではなく「サイレント」を使う。
読者の目に映る光景は、一瞬で静寂に切り替わる。
このような演出効果を狙い、作者は「サイレント」を素材として選択した。
そこから、内容が調和“しすぎない”ライムフレーズ「差異、連投」を選んで、文章に組み上げたのだと思う。
結果として、読者は「差異、連投」を理解できない。
理解できないからこそ、理解しようと藻掻き、抗う。
いくつもの仮説を立てては壊す。
私たちはその過程に、“倒れても再建し続ける力”を見る。
以上は筆者によるひとつの解釈にすぎない。
実際には、作者の意図と全く違うのかもしれない。
だが、作品を鑑賞する者の数だけ、解釈は無限に存在できる。
それぞれが右往左往して辿り着いた“異なる真実”を、それぞれの言葉で述べる。
読者がそのような差異を連投する営みが、創作物を記憶に留まらせ、歴史に刻んでいく。
作者は何が真実かを語ることはなく、ただ無言である。
明日もまた、私たちは「昨日のReplay」をリピートするだろう。
そのたびに、私たちの昨日のリプレイをRepeatする。
(文/SIX)


今週のリリース情報

  • 人間界では特にないようです。


今週のフリーライムマーケット抜粋


今週の押韻島地下城

  • ライムブログ英語版[再]が作成されました

  • 同音ライム三十三地獄が作成されました


今週のショウニンカンモン

  • 新たな別解ライムは発見されていません。


編集後記

今週号の編集担当、SIXです。
好きなトラックメーカーは黒猫beatsとWorld Technique、嫌いなものは録音です。
よろしくお願いします。
(文/SIX)


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次号予告

  • 《特集》「証人喚問」許容度アンケート結果(第1回)

  • 《企画》5分ライムグランプリ

  • 《解説》河原崎善右衛門の現代作詞技法集

記事内容は変更になる場合があります。


編集 SIX
発行 押韻島公民館


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