《特集》証人喚問シリーズ一致音数ランキング
概要
いわゆる同音ライム4連打で知られる証人喚問シリーズの作品群において、過去に踏まれた韻の一致音数を調査した。
注意事項1
同シリーズは非常に多くの派生作品があることで知られるが、今回は以下3作に絞って調査を行った。(調べるのが途中で面倒くさくなったため)
注意事項2
一致音数のカウント基準は、以前に「四面楚歌」で音数を数えた際のルールに準ずる。
今回は4連打なので、少し定義をいいかえると次のようになる。
注意事項3
母音不一致や発音依存などを含んだ、いわゆる“準同音ライム”について、本稿では可能な限り好意的に判定する。
つまり、多少あやしいところがあっても“同じ音に聞こえるレベル”と筆者が判断した場合は、同音ライムとして扱う。
この判断は大いに主観的なものとなる。
判定基準に関して苦情・不満がある場合は、基本的にTwitterのダイレクトメッセージなどでお問い合わせください。
(Twitterは使っていないので見なくて済む)
一致音数ランキング
15音
10音
9音
8音
7音+α
7音
6音
5音
4音+4音
4音
3音
2音
1音
0音
所感
全体的な特徴として、続編になるほど技巧に磨きが掛かり、音数は増加傾向にある。
過去の最長音数に挑むという楽しみ方も、このシリーズの魅力の一つである。
(録音さえすれば、あれが掲載できるのに……)
また、音数が長めの韻(このランキングで序盤に登場するもの)は、文章として破綻が生じやすい。
逆に上位に位置するにも関わらず自然な文意を保っているものは、独自の進化を遂げた同音ライムといえるだろう。
ただし、それによってコミカルさを失うことが減点につながるケースもあるため、一概にどちらが優れているとはいえない。
(文/SIX)
同音ライム・フラッシュバック(第15回)
概要
この連載では、過去に発表された作品から同音ライムをピックアップして紹介する。
特に、同音ライム黎明期のものを中心に取り上げる予定。(※1)
なお本連載における同音ライムは、リズム不一致の韻、すなわち母音子音ライムを含める。
第15回となる今回は、MGR「oing LV2(押韻goo)」から、2つの韻をセレクトした。
この楽曲は2003~2004年頃に火星にて公開されていた気がするが、正確なリリース年は不明。
退屈/耐えがたい苦痛
VCRパターン「たいくつ」、一致音数4音、リズム一致。
短いながら、自然な文章として構成された同音ライム。
「退屈」「耐えがたい苦痛」の2連打に、母音ライム「破壊する」「ライム通」を追加して4連打にしているところも面白い。(“入れ子ライム”)
余談だが、ゴオウイン「Re:証人喚問」にも「退屈」「耐え難い苦痛」を内包した4連打が登場する。
時代を超えてライマーに愛される韻といえるだろう。
電池満タン/あふれ出ちまった
VCパターン「でちまた」、一致音数4音、リズム不一致。
こちらも文脈にマッチした無理のない同音ライム。
先ほどの例と同じく、追加の母音ライム「決死ランナー」を3連打目に配している。
この一致パターンだと、「で巷」も行けそうな気がする。※2
脚注
※1 今もなお同音ライム黎明期ではないかとの説もある
※2 そうなるともう一息で4連打が見えてきそうで興奮しますね
(文/SIX)
次号予告
《特集》「証人喚問」許容度アンケート
《連載》同音ライム・フラッシュバック(第16回)
記事内容は変更になる場合があります。
編集 SIX
発行 押韻島公民館
2024.4.21