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ママが一番怖いもの

「ねえねえ、ママが一番怖いものって何?」
「そりゃ、寝起きのあんたでしょ。」
「え?」
「起こしたのに起こしてないって
 怒ってくるし·····
 朝からすごく悲しい気分になるわ。」
「せっかくしとんのに、
 怒られるんやもんな。」
「そうそう、わかってくれる?
 もうちょっとママに優しくしてくれる?」
「ちょっとママの気持ちわかったわ。
 優しくするわ。」
笑う息子。
ほんとかなー、また明日も同じことの繰り返しでしょ?

朝になり、息子に声をかけて、布団から隣のリビングへ引きづりながら連れていく。
息子はいつものようにこたつへ頭からもぐりこむ。
しばらくして、
「ねえ、5時40分になったよー。」
「えーー!なんでそんな時間なん?
 なんで起こしてくれへんだん?」
ほら、やっぱり怒ってる。
「ちゃんと起こしたよ。」


「あ、そういえば、
 起こしてもらったかも。」


あれ? いつもと違う言葉に拍子抜け。
「そうでしょ?
 思い出してくれた?」
「うん。」
ちょっと息子が笑っていた。

明日からもこんな調子だといいけど。

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