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黒いモヤモヤ

 SNSで見かける優秀な同業者の方々。
 雑誌にのるようなビッグプロジェクトを手掛ける話、学会へ参加する話、交流会の話….
 そんな話題を目にするたびに、心がざわつく。胸のなかに、黒いモヤモヤが渦巻く。気づかないふりをしていたけど、ドロドロしたものが確かにここにある……
 もしかして、私は嫉妬している?! まさか?! 彼らは、私とは別格の優秀な方々。 嫉妬するなんておかど違い。
 私も、ビッグプロジェクトを手掛けたり、学会や交流会へ行きたいと思っているということ? 確かに、いいなーて思っている。もう、嫉妬を認めた方が心がラクになるのか? 
 じゃあ、そういうふうになれるように努力すればよかったじゃないか。

 大学の構造研究室で鍛えられ、有名構造事務所へ行ったり、大手ゼネコン、組織設計で働く人たち。正直とてもうらやましい。
 自分もそうすればよかったのか? いや、でも無理だった。
 大手へ就職できなかったのは、氷河期のせいだったかというと、実はそのせいではない。氷河期でなかったとしても、能力や努力が足りず、すぐに就職できなかったと思う。(当時、成績もよくなかったし、やる気もなく、心の病気にもなっていた。)
 もし、大きいところへ就職できたとしても、その中での競争に耐えきれず、すぐに離脱していただろう。

 自分は、地方の小さな設計事務所へ勤務するところから始めて、少しずつ、建築や構造の勉強を積み上げてやっていくしかなかったんだと思う。そして資格をとって、独立するところまでやってきた。
 だからこれからも、自分のペースで、あこがれの人達に近づけるように努力するしかない。

 ········こうやって自分に言い聞かせたら、もうモヤモヤすることはないだろうか?

 いや、またSNSでキラキラした話題を目にしたら、どす黒いものが胸に渦巻いてしまうんだろーなー。しょうがないか。