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スタンダード


フィリピンにはお手伝いさんがいるので、子どもをまかせっきりにする人もいます。
おもちゃのピアノを買ってやったところ、子どもが鍵盤にドレミを(メイドさんに)書いてもらっていいか聞くので、おもちゃだしいいよと放っておいたら後日
ドレミファソラシドドレミファソラシドドレミファドドレ
と見事に「ドが重複」した形で、ローマ字で、しかも油性ペンで書かれている!
ということに気付いた友人がいます。

フィリピンに来て間もない頃、携帯もなくてスーパーで時間を尋ねたことがあります。彼は腕時計を見て「3時半」だと言いました。私の感覚では4時くらいだったので、ちょっと離れてもう一人に聞いてみると今度は「4時半」だと言われる。二人に一時間の差があります。これはどちらかが3と4を見間違えたのだろう、と踏んでもう一人に聞いたら、その人は「4時」だと。
見上げると店に時計があり、それは4時10分を指していました。
(何時なのーーーーーーーーー)
しかし、言った時刻はまちまちでも、全員に共通していたことがあります。それは「ものすごく堂々と断言した」ことです。きゃー。
そう、その国にはその国のスタンダードがある。今ならわかるんだけど、あの頃は若かったので、ついジャパンスタンダードで捉えてしまうフィリピン初心者でした。

そういえばちょっと前「フィリピンにもう一人!日本兵の生き残りがいた」というニュースがありました。帰国子女みたいなアナウンサー(フィリピン初心者)が
「このあたりで日本兵を見かけませんでしたか?」
とインタビューして、地元民の回答が吹き替え音声で流れるんだけど
「いやあ、この辺では見かけないなあ
 だが、そんな話を聞いたことはあるよ
 この先に行けばあるいは見つかるだろう」
と訳されていました。
しかしこれは、地元民のスタンダードを熟知している私が訳せばこうです。
「え。シラナイ・・モウ戦争とかオワッタ。
メニージャパニーズここで死ンダYO!
モウ生きてナイ
あはははははは
この先は牛と犬がいる」

番組は、結局日本兵を探し当てられませんでした。(当たり前)
(いないし)
エンディングは超深刻な音楽をバックに、
「我々の探索を拒むかのようなジャングルに、時代の被害者がいまだ息を潜めているのかもしれないのだ」って言ってた(笑)
探索とか一切拒んでないし実際彼ら何も考えてな


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