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アニメ雑記【24/5/26】

今日は過去作アニメの話題。


星屑テレパス

昨秋放送されていたきららアニメ。個人的には、23夏~24冬の「空白の期間」を履修する余裕がやっと出来たので、その第1弾として見ました。

主人公の心情という観点では、ある種「ぼざろ」よりも刺さるタイトルだったかもしれない。

本作についてはまず「面白かった」し、それ以上に「引き込まれる」アニメだったと感じた。モデルロケット製作を通じた準備と挫折、そこから這い上がるまでの過程が丁寧に描けていたと感じたし、何よりも主人公の海果が成長していく物語としても非常に見応えがあったと感じた。
昨今のきらら作品では「陰キャ主人公」というのがトレンドにあるけれど、本作については特に胸に刺さるというか、重く取り扱っていたのかなと感じた。特に終盤の、瞬ちゃんとの仲直りをするためにモデルロケットへの想いを熱弁したのは凄く引き込まれたと感じた。また終盤においては大会への挫折を受けて、海果だけでなく、登場人物全体が成長へと向かって行っている姿が映っていて良かった。
個人的にも、これまで非4コマ誌のフォワードくらいしかこういったシリアスな作品が無かったないし作れなかったと感じていたけれど、最近は4コマ誌原作でもここまでストーリー性のある作品が作れると思うと、きららのトレンドの変化や、それらの作品をアニメ化するにあたってのノウハウが培われてきているのかなと感じた。逆にシリアス皆無・日常主体な「従来のきらら」に期待をすると重苦しい話が多いかもしれないけれど、所々に散りばめられたコメディ性、特に「おでこぱしー」を筆頭とした友情ないし百合成分は、従来のきらららしさを忘れていなかったのかもしれない。なお百合についてはなんと公式でも言及されている模様。

作画関係も五組らしくてかなり良かったですね。中盤で作監を他社に投げていた回もあったのは少し気になったけれど、それでも質を落とさなかったのは良き。主題歌もOPED共に幻想的な曲調で、本作の雰囲気に溶け込めていたかと思う。また演出面ではアイキャッチを使う回と使わない回とかあったけど、そこも作中の雰囲気に合わせて使い分けていたのかなと感じた。

他、きらら作品において宇宙をテーマとした作品で過去に「恋する小惑星」があったけれど、百合成分の濃さや競争要素、ファンタジー要素とかで相違点があったし、見る前にテーマが被らないか、差別化はできているかの不安が杞憂に終わったのは良かった。


∀ガンダム

顔のヒゲやコックピットの配置など異質な機体をしている∀ガンダムだが、動けばカッコいい。

サムネにも設定しているやつですが、先日配信サイトにて見終わりました。面白かったです。
時系列や世界観的にはシリーズで最後に見るべきタイトルではあるのですが、たまたまYoutubeで見かけたOPテーマの動画を見入ってしまい、本編も見ることにしました。

本作は戦争が起こるか否かの境界線の中でいかにバランスを取っていくかという所が他のガンダムと違うところだなと感じたし、ドンパチシーンはあれど平和の在り方をより訴えかけていた作品だったかなと感じた。
また個人的には戦争の他にも、企業倫理に通ずるところがあると感じていて、悲惨な結末を迎えた過去の戦争を「黒歴史」としてなかったことにしたのは、国家的なスキャンダルでなくとも企業の不祥事にも同じことが言えるよね(特に何度も不正を犯した三菱自動車とか…)と感じた。また単に金儲けと言う点でも、主人公陣営の重鎮的ポジションだったグエンが最終盤に私欲のために裏切る所は、人としての欲に眩むと破滅を見るという点で興味深い描写であった。
そういえば平和と戦争の「境界線」という観点では、次回作の「SEED」シリーズとは真逆というのも中々興味深いと感じた。SEEDは開始時点から戦争が始まっていて、しかもお互いに人種間の絶滅戦争を繰り広げるという地獄絵図だった。一方の本作は、お互いに戦争を起こしたくないけど、文明や出自を巡って認識の差がある地球と月の勢力でどう擦り合わせていくのか、戦場の内外のそれぞれで濃く描かれていたのが良かった。戦争は戦争でも、こうして両作品で比較してみると結構面白いものですね。

本作の主人公機であるターンエーガンダム。戦闘シーンで敵勢力と対峙していく他にも、洗濯物を干したり橋替わりに道場を作ったりと、結構平和的な使い方がされているのが興味深かった。その中でも、文明を滅ぼした「月光蝶」を有していることが最終盤に明らかになって、その月光蝶も敵の攻撃を食い止めるために活用したりと(勝手に発動したそうだが)、機体だけでも平和というものがより強調されているなと感じた。
また、顔がヒゲを生やしているようなデザインで、コックピットの配置も腰にあって大丈夫か?と疑問に感じたり、そもそも全身がちょっと異質な感じがしたので最初不安を覚えていたけれど、いざ動くとめちゃくちゃカッコいいなと感じた。特に鉄球を振り回したりビームサーベルで敵機を切り刻むシーンとかが印象深かった(鉄球というと結構古典的な武器なのに、意外とガンダムに馴染んでいるという不思議)。

ビジュアル面では、セル画最後のガンダム作品ということもあり、一部で3DCGとセル画が共存しているシーンがあるのが面白いなと感じた。おそらくこの時代でしか見られない貴重な手法かもしれませんね。またセル画自体、現代のデジタル作画と違って色彩的な情報量が少ないのでアニメーションとして頭に入ってきやすいし、その上で作画自体のクオリティも高いので、良いなと感じた。まだまだセル画時代のガンダム作品で未履修のものも多いので、そういった視点でも楽しみたいですね。
劇伴や主題歌に関しても、牧歌的な曲調なものを多く取り揃えていて、本当にガンダムかこれ?と最初困惑していたけれど、身近な所で戦禍が迫っているという所を強調する意味では、これはこれで良かったのかなとも感じている。第1期OPの「ターンAターン」については、歌詞メロディ含め非常に中毒性の高い曲で、見終わってから数日経過していますが結構聴いております。

今後のガンダム履修計画については、録画している過去作アニメの消化を加速させたいのもあるので、しばらく配信サイトでの履修は見送る方向ではあります。ただ今後、「Gガンダム」や「ガンダムW」がBSで再放送されるので、そちらは毎週追いかけたいですね。
アナザー作品は特に見る順番は決めていませんが、宇宙世紀については極力時系列で追いたいので、今やっている初代が終わり次第、他作品も見ていく予定です(UCも現在録画していますが、時系列上見るのは当分先になりそうです)。


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