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手編み靴下を設計する③

手編み靴下の設計の話、最終回です。

前回はガセットヒールという三角マチ付きの靴下のことを書きましたが、今回は引き返しマチという踵の編み方をする靴下の話をしたいと思います。

引き返しマチは「靴下といえばこれ」というような代表的な編み方で、編み物をする方なら編み図を見たことがあるのではないでしょうか。

こんなふうに踵を引き返し編みで編むデザインです。

こんな編み図で表されていることが多いです↓

これもやはり採寸をして、自分サイズで製図していきます。

この製図で履き口が下側になっているのは、トップダウン、つまり履き口からつま先に向かって編むために書いてあるからです。

前回のガセットヒールの靴下はつま先から編み始めるためのものだったので、つま先が図の下側になっていました。

日本の編み図は基本的に編みはじめが下側になるように書かれています。
(輪で編むものはまた別ですが)

私は主にこの引き返しマチと、前回載せたガセットヒールの設計図にいろいろな模様を嵌め込んでオリジナルデザインを楽しんでいます。

模様の性質によって、ガセットがある方がいいとか、踵だけ色を変えたいとか、履き口から編んだ方が模様が映えるとかあるからです。

靴下はいろいろな形のパーツで構成されているので、プロのデザイナーさんでも編み方を伝えるために苦心されていることが多いように思います。

海外では日本のような編み図がないことが多いので、〈文章パターン〉という、編む手順を文章で書き並べてあるものがほとんどです。
これは靴下を編むにはとても向いていると思います。


私が靴下を編むときに参考にしている本をご紹介します。

この6冊は本当によく使います。
上段の真ん中は英語版ですが、様々な技法や編み方、模様編みのチャートも載っていて、見ているだけでも楽しいです。
英文パターンが読める方は、もちろんそのまま編むことができます。


英文パターン(文章パターン)は書いてあることをそのまま順番に編んでいけば編み上がりますが、編み図に慣れた私には全体像を掴むことが難しく、やはり製図から編み図を起こしてイメージを作ってから編むのが向いているようです。

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