転校生のスミくんはいつもたんてきに話す。
「僕のことを端的に申し上げますと、つまり、たん的に話す人です。」
クラスのみんながキョトンとした目で見ている。
担任の先生が困ったような表情を一瞬して、微笑みながら、その場の空気を明るくさせようと口を開いた。
「スミくんはきっと、とっても頭の良い子なのね、好きな教科はなにかしら?」
「国語です。たんてきに申し上げますと、この本は面白いだとか、つまらないだとか、読んだ人によって、感想が異なります。
しかしながら、実際に味わった人にしか体験できないものがあります。
そ