知能を持ったシマウマに追いかけられた話

「さっき見た夢の話をさせてくれ」

多分、誰もが聞いてくれる。
人が見た夢の話なんて誰も興味ないのに。
分かっていながらも多分聞いてくれる。

その時、
全然興味ねえなあ。とか、
こいつ、夢の話なんて誰も興味ないからしちゃダメって知らないの?モラルがない人なの?とか思いつつ、きっとみんな聞いてくれる。

みんな優しいんだな。

でもマジでこっちにも言い分がある。
お前らはたしかに優しい。
でも俺を100パーセントやばい奴にはするな。
しょうがないなぁって顔でみるな、そんな目で。
もちろん、そんなこと分かってるよ。
俺の夢の話なんて興味ないよな。
俺だって人の夢の話なんて興味ないもん。

でも、ここで話さなくちゃさ、
死んじゃうんだよ。夢が。
夢ってのは寿命が短くて、
朝ごはん食べた後くらいには死んじまうんだよ。

だからここで自分以外の人に話して
この内容を覚えてもらう。
もちろん、俺も覚えていられるように善処する。
善処するから善処してくれ
本当にできる範囲でいいから
できる範囲でかまわないから
お前を嫁に貰う前に

そんでふとそれが過ぎった後に
思い出していって欲しい。
「お前、前あんな夢見てたよな?」
うわー、それだー。ってなりたい。
デジャヴー!!ってなりたい。


だからさ、聞いてくれよ。
夢の話。
できる限りで構わないから
お前を嫁に貰う前に


シマウマに追いかけられる夢を見た


この夢で僕は帰っていた。
何から帰っていたかは定かでは無い。
でも確かに何かから帰っていた。
帰ることは何も不思議じゃ無い。
行くことがあるなら帰るは付き纏う。
「帰る」はあるあるシチュエーションなのだ。
「ヒトあるある」なのだ。
 

〜ヒトあるある〜
 「絶対に帰る」

これでフリップをめくってもいいのだ。
なんか遠くの国に戦争に行く奴のセリフみたいだ
これは軍人あるあるでも使えるのだろう。
軍人あるあるだとしたら話が逸れたな。
俺は話を本当に逸らしやすい。
千賀滉大投手のフォークぐらい逸らしやすい。
でも聞いてくれ、もう少しだから
もうすぐ内容を話すから
できる限りで構わないから
お前を嫁に貰う前に


帰り道にシマウマがいたのだ。
都会のジャングルという例えはあるが、
(シマウマはサバンナだから関係はないのだが)
彼はその蹄でしっかりとコンクリートを踏みしめていた。


それを見た、僕は
「うわ、勝てそう、ちょっかい出しちゃえ!」
と考えてしもた。
ほんまにこれがあかん。あかんて。
冷静に考えたら後ろ足で蹴られたら一発アウトじゃん、アウトなんだよ。
けど夢の中なのでそんなことも考えられない。
僕はちょっかいを出した。
そんなバカな男の話をもう少し聞いてくれ
できる限りで構わないから
お前を嫁に貰う前に


シマウマが追いかけてきた。
でも振り切るのは正直、難しくなかった。
シマウマは確かに視野が広いが、360度では無い。死角に入り、巻いた。

その時、僕は
「シマウマからかうのめっちゃコスパいいじゃん」ってことに気づいてしまった。
ここでは
楽しさ(リターン)
危険度(リスク)である。


それから幾度となくシマウマをからかう。
何度もからかっているうちに階段を登ったら
追ってこないことに気づいた。
そうか、奴らは階段を登れないのか。バーカ。
馬鹿馬。おまえら馬鹿馬だ。
うしろから読んでも馬鹿馬だ。
やーい、お前のあだ名しんぶんし〜

もうでも飽きてきたし、
高いとことにでも登って景色見て帰るか、
と考えた。
そこから見る景色は絶景だった。
畑や田が広がっていて緑が多くてノスタルジーを感じた。


さて帰るかと後ろを振り向くと
向こう側に見える山より
大きいシマウマの横顔が見えた。
舌を出して、瞳孔が開きっぱなしだったので
多分、生きてはなかったのだろうが、
すごくゾッとした。
あのサイズのシマウマもいるんだな。


と帰ろうとすると
再びゾッとした。


シマウマが階段を登ってきてたのだ。
しかも、一匹じゃない。
ぞろぞろ仲間を引き連れて、
律儀に一段ずつ踏みしめて。

大丈夫、きっと、死角をつけば逃げられる。
僕はシマウマを越えるようにジャンプした。
シマウマは階段を登ることに夢中で、上を見る余裕がない。はず。

でも普通に気づかれた。
今度は逃げ場が無い。
降りてくるシマウマと登ってくるシマウマ。
挟み撃ちだ。
ってところで目が覚めた。


今シーズン見た夢で1番怖かった。
もちろん夢占いをした。
(こういう夢は逆夢で吉夢であることが多い)
でも普通に凶夢だった。

大きな決断をしなければならない時が近いらしい

この夢見てからシマウマが怖すぎて、
「シマウマ怖い」でGoogle検索した。
そしたら普通に瞳孔開いたシマウマの画像があってビクッ!!ってなった。
でも共感してくれる人はいなかった。

シマウマの模様を勝手に縦縞だと思ってしまうのは怖いことだ。あれは本当は横縞だ。
みたいな、なんか深そうなツイートは見た。

うるせぇ!!
お前に俺の悩みなんて分からないだろうな!!

と思ったが、
この人もシマウマが怖いんだなぁ、
いや、本当にシマウマが怖いのかな?あれ?
とまでは考えたので人は分かり合える。
手を取り合って生きていける!!
戦争はなくなる!!
はい!!ハッピーエンド!!
おやすみなさい!!




力技で終わらせてしまったね。
おれ、本当にこういうところあるんだよ。
飽きっぽい。
でも受け入れてくれないか、
できる限りで構わないから
お前を嫁に貰う前に


 

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