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下手ジャズピアノ(練習で大事なこと)

練習で大事なことはなんだろう。

スケールとアルペジオは大事だね。アドリブの基本だ。コードも覚えないと。やっぱり12キー練習したいね。なるべく楽譜は見ないのが望ましい。耳からインプットするのが理想的だ。おっと、ハノンの練習も忘れちゃいけない。それに何よりゆっくり丁寧に弾くことでしょう。

色々ある。どれも大事だ。

でも、何よりも絶対に大事なことがある。

練習で一番大事なこと。

それは時間だ。

話がズレてるんじゃないの?

いやいや。そうじゃない。

時間は絶対に限られている。年取ってから楽器を始めたら尚更だ。人生を持ち出すまでもない。1日は24時間。8時間は眠っている。平日なら仕事と通勤で10時間取られる(10時間ならまだマシだよ)。残りは6時間。食事、休憩、風呂、掃除、洗濯、その他雑用に追われて2時間も練習できたら上出来、いや神業だ。休日にいっぱい練習して貯金しようったってそうはいかない。毎日少しずつでもやらないと上手くならないからね。

子供なら、少なくとも大人よりも4、5時間は自由な時間がある。ゆっくり丁寧に時間をかけて、スケールとコードを12キーで練習すればいい。メロディを覚えるまでじっくり聴きこんで耳コピーすればいい。

でも、1日1時間がマックス、せいぜい30分の練習時間となると話は変わってくる。

ゆっくり丁寧にストレート・ノーチェイサーのメロディをなぞるだけで練習が終わってしまう。本当ですよ。参っちゃうね。

だから、大人にピアノを教えるのにブルグミュラーとかツェルニーを持ち出す先生は避けた方がいい。社会人のライフスタイルを全く理解していない。「大人にピアノを教える」ことは、子供にピアノを教えるのと全く別のプロセスとゴールが必要だ。ちゃんと考えてる先生が楽器初心者の大人にブルグミューラーやらツェルニーを持ち出すはずがない。

大事なのは時間。ここから練習メニューの検討が始まる。

まずは最低30分は練習を頑張ってみよう。ここは気合いで決心する。

となると、半分の15分で基礎練。残りの半分でリードシートに取り組もう。となる。

そんなところじゃないかな。現実的なのは。

15分で何をするかはレベルによって変わってくるけどね。

さて、先生に「一日30分でできる効率的な練習を教えて下さい」と質問するのは意地悪なのだろうか??(サックスならスケールと黒本メロディかな。ロングトーンする時間はない。ピアノはそんなに簡単に絞れないよな)。大人は教えません、教えられません、というピアノの先生が多いのもむべなるかな。

「まずはゆっくり着実に弾けるようになって、それからスピードを上げていく」練習なんてできない。

最初から無理のある速めのペースで弾き散らかす。ピアノの先生が見たら頭を抱えそうだ。でもこうするしかないんですよ。時間がないから。

何も考えずに指が回らない無理なスピードで弾いているとなかなか上達しない。いや、むしろ全く上達しない。楽器の先生でなくとも、楽器をある程度習った人なら同意するだろう。

でも、ゆっくりまで落とす必要はないのも事実。これだったらギリギリ弾けそうな限界まで速度を落とす。ちょっと指が動くようになってきたな?と思ったら、メトロノームに合わせてみる。多分最初はメロメロだと思う。弾けたと思ってたら全然下手くそだった。メトロノームには「何となく弾けた」気分を打ち砕いてくれる素晴らしい効能があるのだ。一番遅いテンポを探しながら練習するのは効率的だ。

まずは練習の時間枠を決めて、基礎練と応用練に分ける。その範囲内でできるだけ練習を詰め込む。ポイントはできるだけメトロノーム(あるいはiRealPro)を利用すること。自分の力量に合わない無理な練習は避けること。何も考えずに練習しないこと。上手くなったぞ?とか、ここ、いつも動かないな。とか、何も考えずに自動的に弾いちゃってるな。とか、常に反省しながら練習すること。

練習で大事なことはいっぱいあるけれどスタート地点は一つ。「時間がない!」。これなのだ。


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