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4年振りの逢瀬

2022年の7月。その年の梅雨はとても短く、7月の中頃から炎天盛夏となった。
そんな晴天続きの7月下旬のある日、大雨が降った。そして湿気が籠るすこぶる不快な天候だった。

ここ数年新型コロナの蔓延で電車を避けていたが、2年とちょっと振りに電車に乗った。
行先は熱海。
その数日前、4年振りに来たSNSのメッセージはこうだ。
「来週辺りに逢えない?」たった一言。
返事は「来週だと火曜日なら」
「熱海がいいわ。」
「わかった。熱海は何年振りかな?」と言う雑談は無視された。
「10時で。」
「承知した。」
全くそっけない連絡。
しかし、逢っている数時間を想うと年甲斐もなくドキドキするのだ。

当日、冒頭の様な天気で新幹線は45分遅れた。
出来れば海にでも行って夏を感じようとも思ったが、そんなプランは微塵と散った。

「久し振り。」
「あぁ、体調はどうだい?」
「小康状態ってとこ。」
「この天気じゃ・・・」
「すぐ休みたいわ。」
歩き出す。

熱海市街地の唯一?のホテルの一室に入る。

部屋に入るや否や、唇を重ねる。
あとは、肉欲に溺れる男と女だった。
と、言いたいところだが体が言う事を聴かない。
それでも、淫蕩な彼女をまた見られたと言う満足感が得られた。
道具を使って何度ものけ反らせ、逝かせた。
こちらは彼女の口技で果てた。

そろそろ潮かと向けると、それはあたしが決めるわ。
癌であと何年活きられるかとも。

彼女の嬌声を録りたいと思いスマホを操作し、攻めた。
そして何度目かの絶頂を迎えた。

じゃ、とホテルの前で別れた。彼女はタクシーで駅に向かった。

小生はと言うと、一度点いた火は消し難く途中で派遣を呼んで若い身体を楽しんだ。
次のメッセージが来るか否かはわからない。



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