子どもたちとの関わり~初任者から今~

8年目の教員生活が間もなく終わります。
今日は、ぼくの初任者の頃から、今に至までのことを書いてみたいと思います。

結婚して子どもが産まれて・・・初任者の頃のように働けなくなってきたぼく。
その中で悩んできたことや、今大切にしていることを書いてみます。

(1)希望いっぱいのスタート

「先生!一緒に遊ぼう!」
子どもたちの笑顔がまぶしくて仕方がなかった。
クラスの子どもたちがかわいくて、クラスの子どもたちとの時間やその空間がすべてだった。
そう、これがぼくの求めていた世界。子どもたちの笑顔のためだったらなんだってできる。

残業なんて当たり前。
朝は教室でお出迎え。
休み時間は一緒におにごっこ。
定期的な学級通信。
毎日の日記へコメント・・・
楽しくて楽しくて、仕方なかった。
子どもたちの笑顔が、子どもたちとの信頼関係が日々の原動力だった。

(2)結婚、そして娘の誕生


でも、そんな日も長くは続かない。

寝不足による体調不良。
「こんなにやっているのに・・・」という不満。
そして、単純なモチベーションの低下。

プライベートでも、結婚をして子どもが産まれることになった。
クラスのこと、学校のことがすべての毎日ではなくなった。

ぼくの守るべきは、家族だ。

家族が大切で大切で仕方がない。
1分1秒でも長く一緒にいたい。
残業なんてしている場合じゃない。
朝は保育園に送って、ぎりぎり滑り込みセーフ。

忙しくあわただしく毎日が過ぎていく。
仕事はどんどん後回し。

(3)悩む日々

そうなってくると、クラスの子どもたちとの距離があるのが分かる。
どこかよそよそしい。
信頼関係が築けていない。

仕事だからそれでいい。割り切ろう。
しょうがない。だって、家族が一番だし本当に忙しいんだから。

でも、その気持ちとは裏腹に、
「先生!」といって目をキラキラさせていた子どもたちが目に浮かぶ。
毎日笑って一緒に過ごしたい。
もっとがんばらなければ。

でも、家族といる時間は減らしたくない。
でも、やっぱりクラスの子も大好きだし・・・
でも、娘といっぱい遊びたい・・・
でも、この仕事も好き・・・
でも、・・・・


(4)今どうしてるの?

子どもたちが好きだ。子どもたちの笑顔が見たい。
でも、昔のようにはもう働けない。
そして、家族が一番に決まっている。
そこは絶対に譲れない。

じゃあ、どうするのか。

① 子どもたちは仲間だ
そう。ぼくは、自分ががんばっていいクラスをつくらないといけないと思ってた。
でも、クラスをつくっていくのは先生なの?
必死にがんばるのは先生だけなの?

違うよね。
子どもたちこそが、がんばらなければいけない。
だって、自分たちが生活する場なんだから。

だから、一緒になってクラスをつくる。
悩んだら相談すればいい。
自分が苦手なことは子どもたちに任せばいい。

あくまでぼくは、クラスの一員なんだ。
ちょっと肩の力を抜いて、子どもたちを信じて一緒に歩いていこう。

② デザインする
大切なことは、子どもたちとの関わる機会や声をかける機会を増やすこと。
わかっている。
全員に一日一回は声をかけようとする。

でも、本当に忙しくて時間がない。
そして、「やろう!」と決めた瞬間からモチベーションって下がっていく。
だから結局できずにいるんだ。

そこで、大切なのは1日をデザインすること。
子どもたちとの関わる機会や時間を、システムとして組み込んでしまうということ。

・宿題提出を教師の机に→おはようが言える
・ふり返りのノートは先生に→一言はコメントが言える
・給食を返却するところで丸付け→一言しゃべれる
・専科の授業で並んでいくときにはハイタッチしながら見送る。
・ふり返りジャーナルは先生へ→ハイタッチしてさようなら

これで、意識していなくても一日に何回かは絶対にみんなと話せる。
もっとできる工夫はないかな。と考えることは楽しいし、子どもたちに相談してみよう。

(5)最後に

 じゃあ、「クラスはうまくいってるの?」と聞かれれば、「うーん・・・」という感じかな。
やっぱり忙しいし、時間がない。こっちの熱量は伝わるから、一定の距離感はできてしまう。
昔にはもう戻れない。
それでいい!ってあきらめているわけじゃない。試行錯誤の連続です。

でもね。熱くなりすぎていたことで見えなかったことがいっぱいあったと思う。
うっとうしく思っていた子もいたはず。

ちょっと引いた距離感が、居心地よく感じている子がいるのかもしれない。
全体を見られるようになったから、前には救えなかった子を今救えているかもしれない。

何が正解なのかよくわからないけど、
クラスの子を一人一人思って生活したい。
毎日笑い合って生活したい。
自分ができることは精一杯したい。


わが子が世界一大切なように、大切な一人一人を預かっているのだから。

何かを考えるきっかけになればうれしいです。

お付き合いいただきありがとうございました。

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